機能性単分子層の自己組織化と電気化学走査プローブ顕微鏡による超構造制御
Project/Area Number |
09217203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80176924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敏啓 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70240629)
魚崎 浩平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20133697)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / アルカンチオール / 金基板 / 走査型トンネル顕微鏡 / 物理吸着 / 列構造 / 最密充填構造 / 酸化脱離 |
Research Abstract |
自己組織化法は固体の表面物性を原子・分子レベルで制御する、あるいは配向を持たせて分子を配列させる手法として近年大変注目されている。アルカンチオールを用いた自己組織化単分子層膜(SAM)では、基板である金原子と分子末端のチオール基が化学結合を形成し、分子は基板に強固に固定される。また、アルキル鎖は疎水性相互作用により密にパッキングされた状態になる。このため、配向が整い、かつ安定な単分子層膜を容易に作成できる。ここでは、このSAMの形成過程を走査トンネル顕微鏡(STM)を用いてその場観察することを試みた。 金(111)基板を固定したSTMセル中に、希薄なデカンチオールの溶液を加えてSAMを形成させながら、表面を観察すると、金のテラス一面に列状の構造が見られた。列の間隔はおよそ2.1nmであった。また、金表面には金原子の深さの穴が認められた。その後、時間の経過とともに金表面より約0.2nm高い島状構造が発生し、成長する様子が観測された。この島状構造を拡大して見るとこれまでに知られている密な安定構造(√3×√3・R30°)をとっていることがわかった。以上の結果を総合すると、アルカンチオールの自己組織化単分子層膜は、初期には、分子がほぼ水平に並んだ物理吸着状態であるが、次第に密度が高くなると、安定な最密充填構造の化学吸着状態に変化するとことが明らかになった。 次に、電気化学STMにより脱離反応を局所的に起こすことをめざして検討を行った。金-オクタンチオール系のSAMについて、基板の電位を保持し、探針電位を通常の観察条件よりややアノード側に設定して走査を行うと、走査した範囲だけにおいてオクタンチオールの脱離と金の酸化が起こることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)