糖鎖およびヌクレオシドを有する高分子の組織化による高機能材料化
Project/Area Number |
09217223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70167584)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ウリジン / 糖転移酵素 / 線維芽細胞 / 細胞接着 / 水の接触角 / 抗血清 / ガラクトース転移酵素 / HeLa細胞 |
Research Abstract |
ウリジンを有するポリスチレン(PUSS)を疎水性シャーレ表面にコートし、細胞膜表面にガラクトシルトランスフェラーゼを有する線維芽細胞3T3-L1の接着や増殖を検討した。ウリジンを有するポリスチレンの疎水性シャーレへの吸着はESCAにより確認した。未処理のシャーレと比較して、ポリマーで処理したシャーレでは、スルホニルエステルに由来する硫黄のピークと、ウリジンに由来する窒素のピークが観察された。ウリジンを有するポリスチレン(PUSS)でコートされた疎水性シャーレへの線維芽細胞3T3-L1の接着は、未処理シャーレ上への接着と比較して、接着細胞数の増大が確認された。しかも、この細胞接着はEDTAによって阻害された。即ち、この細胞接着は金属イオンを必要とする特異的接着であり、ガラクトース転移酵素に2価の金属イオンが必要であることから考えて、細胞表面の糖転移酵素を介したものである可能性が高いと推測される。また、PUSSコートシャーレ表面における水の接触角を測定することにより、ポリスチレン表面を処理する際のPUSSの濃度によって、親水性に違いが見られることを発見した。即ち、1mg/mlの濃度で処理した場合には、PUSSの吸着がESCAによって確認されていても表面は疎水性を保ったままであるのに対して、50mg/mlの濃度で処理した場合には、PUSSの吸着がESCAによって確認されると同時に、親水性の表面に変化していることがわかった。さらに、牛乳に含まれる通常のガラクトース転移酵素により得られた抗血清を用いて、間接免疫蛍光法によって2種類の細胞の細胞膜表面を観察した。実験結果から、3T3-L1細胞がガラクトース転移酵素を持っているのに対して、HeLa細胞はガラクトース転移酵素を持っていないことが示唆された。これら2種類の細胞を用いて細胞接着実験を行うと、次のような結果が得られた。即ち、細胞膜表面にガラクトース転移酵素を持たないとHeLa細胞が親水性の表面に吸着しにくくなるのに対して、細胞膜表面にガラクトース転移酵素を持つと思われる3T3-L1細胞は、ウリジンに対する特異的相互作用を介して親水性の表面にも強く接着しているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)