Project/Area Number |
09217237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増原 宏 大阪大学, 工学部, 教授 (60029551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹木 啓司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光の放射圧 / 分子系超構造 / 微粒子形成 / 自己組織化 / 高分子ミセル / レーザートラッピング / 時間分解顕微蛍光測定 / 光散乱 |
Research Abstract |
高分子、ミセル、高分子膜、液晶等の相転移、集合構造等の動的過程におよぼす光の放射圧の効果を調べ、他の作製法では実現できない新しい配向、会合、集合状態を形成する可能性を探ることを目的として研究を行ってきた。 本年度のねらいの一つとして、高分子電解質の非常に強い静電反発を抑え、捕捉し、微粒子形成可能であることを証明した。非常にコンパクトな構造を持つ高分子poly(A/Cd/Py)を用い、微粒子形成実験を行った。poly(A/Cd/Py)重水溶液に捕捉用の近赤外レーザービームを集光すると、照射開始直後からHe-Neレーザーの後方散乱光が確認され、さらにレーザービームの照射を続けると、散乱光強度は徐々に増加し、20分程度経つと定常状態となった。定常状態になると生成した微粒子は光学顕微鏡の透過像でも確認できた。形成された微粒子は捕捉用のレーザー光の照射をやめると直ちに消失した。これは静電反発によるものとしてよく説明できる。微粒子の蛍光スペクトルに顕著な変化は見られなかったが、蛍光減衰波形は溶液に比べて生成微粒子では速い減衰が見られ、新しい集合構造の形成が示唆された。 次に、高分子の分子構造、組成、分子量分布等のパラメーターを変化させ、放射圧による微粒子生成速度、定常状態となったときの大きさについて検討した。試料としてはカルバゾール含有率の異なる一連の水溶性高分子(r-CzEMA(x),r-CzPMAm(x))を用いた。その結果、カルバゾールの含有率の高い(分極率が高い)高分子で、かつ相対的に疎水的な高分子を用いると微粒子形成速度が速いことが明らかとなった。
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