フィブロネクチンの自己会合ドメインを利用した新機能細胞外超構造の構築
Project/Area Number |
09217254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
関口 清俊 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 部長 (50187845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 友彦 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 日本学術振興会特別研
眞鍋 理一郎 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 研究員 (30280837)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | フィブロネクチン / 細胞外マトリックス / マトリックス工学 / 細胞増殖因子 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
フィブロネクチンの自己会合ドメインと細胞増殖因子をキメラ化することにより、細胞外マトリックスへの自己組織化能を有する活性持続型の細胞増殖因子を作成し、その有用性の検証を行った。細胞増殖因子としては、EGFファミリーに属するTGFαを用いた。キメラ蛋白質の作成は、ミニフィブロネクチン発現ベクターpMTX1のNotl部位にTGFαのcDNAをフレームが合うように挿入し、これをヒトがん細胞HT1080細胞に強制発現させて行った。培地に分泌されたキメラ蛋白質はゼラチンカラムを用いて精製した。得られたミニフィブロネクチン-TGFαキメラ蛋白質は、フィブロネクチン同様、細胞外マトリックスへの自己組織化能を有する一方、TGFαとほぼ同じ比活性の細胞増殖促進活性、細胞形質転換活性を示した。また、インタクトなTGFαと比べて、より低濃度で活性を発現し、一旦細胞とインキュベートした後は細胞を洗浄してもその活性は保持された。 次に、このマトリックス組み込み型細胞増殖因子の有用性を創傷治癒モデルを用いて検討した。兎耳の皮膚欠損モデルを用い、インタクトTGFαとキメラ型TGFαの治癒促進効果を比較したところ、マトリックス組み込み型TGFαの方がインタクトTGFαに比べて治癒促進活性が強いことが組織化学的に示された。しかし、兎ごとの治癒速度のばらつきが大きいため、定量的な有意差を示すには至らなかった。一方、兎角膜の創傷治癒モデルを用いて両者の活性の違いを比較したところ、皮膚の創傷治癒モデルに比べてより顕著な治癒促進活性がマトリックス組み込み型TGFαに認められた。この活性の差は、統計的に有意であることが確認された。以上の結果は、今回作成したマトリックス組み込み型増殖因子が創傷の治癒促進に有用であることを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)