立体選択的光触媒反応-反応場制御による新規有機合成反応系の開拓
Project/Area Number |
09218202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80176924)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 懸濁半導体粉末 / 光触媒反応 / 酸化還元複合反応 / 酸化チタン / 硫化カドミウム / ピペリコン酸 / ジアミノピメリン酸 / 水素過電圧 |
Research Abstract |
半導体粉末を用いる光触媒反応は、反応系と条件を制御すればファインケミカルズの合成などに十分な選択性を示し、既存の手法では得られない特異な反応が進行する。ここでは、光触媒の活性点に着目し、その制御と新規反応系への応用をめざして、代表的な酸化チタン(TiO_2)と硫化カドミウム(CdS)を用いる有機反応系について活性点構造と選択性の関係を調べた。 リシン水溶液にTiO_2を懸濁させてで光を照射すると、正孔による酸化と励起電子による還元が複合して起こり、環化生成物であるピペコリン酸が生成する。白金は励起電子による還元サイトとして機能する。白金微粒子の粒径をほとんど変化させないで、数だけを変化させたTiO_2(TiO_2粒径20-40nm)を用いると、2-プロパノール脱水素反応系では1個のTiO_2粒子に1個の白金粒子が把持されていれば活性が発現し、2個以上でも活性は変化しなかった。一方、ピペコリン酸系では転化率は脱水素と同様の傾向を示したが、ピペコリン酸生成選択率は1個の粒子に複数個の白金粒子が担持された状態で最大となった。これは、正孔による酸化と励起電子による還元の両活性点間の距離に最適値があることを示している。次に、2,6-ジアミノピメリン酸の立体選択的環化反応につて検討した。この系では、白金担持触媒ではシス体が、高温熱処理したCdS粉末ではトランス体が立体選択的に合成できた。これは、熱処理することにより硫黄欠陥が生じ、光照射によって微量の金属カドミウムが析出して活性点が形成されるためである。硫黄欠陥および金属カドミウムの生成機構を解析するとともに、析出した金属カドミウム上でトランス体が生成する機構について検討し結果、白金とカドミウムの立体選択性の違いは、金属としての水素過電圧の相違に見られるように、吸着水素を生じやすいか否かに依存することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)