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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
精密有機合成では有機溶媒に可溶な酸触媒がよく利用されているが,有機溶媒に不溶な固体酸触媒を用いる不均一反応についてはあまり研究されていない.反応の後処理,触媒の回収,再利用が容易であるという点から見れば,固体酸触媒の関与する反応系の構築は重要な課題である.本研究では,含酸素ヘテロ環類の立体選択的合成を目指して,粘土鉱物やヘテロポリ酸類のような固体酸を触媒として用いるビニルシラン類の環化反応について検討した.水酸基を有するビニルシラン類の環化反応では,粘土鉱物やヘテロポリ酸のような固体酸触媒を利用できることがわかった.しかし,これらの固体酸(12モリブドリン酸を除く)を用いる不均一反応はр-トルエンスルホン酸や四塩化チタンを用いる均一反応に比べると反応時間,環化効率の面でまだまだ問題が多い.均一系触媒に匹敵する活性を有する固体酸触媒の探索を続け,固体酸触媒を用いる反応の立体選択性についてより詳細に検討した.ビニルシラン,固体酸を用いて、クロロホルム(2.5mL)中,室温で行った.酸触媒にはまず市販品であるナトリウムモンモリロナイト(クニピア),活性白土,モンモリロナイトK10を用いて反応を行った.その結果,酸性度が低いナトリウムモンモリロナイトでは,原料回収に終わったが,シリケート層間の交換性陽イオンがプロトンである活性白土やモンモリロナイトK10では環化反応が効率よく進行することがわかった.交換性陽イオンがアルミニウム,チタン,セリウム,亜鉛であるモンモリロナイトは向山アルドール反応,Friedel-Crafts反応,カルボニル化合物のアセタール化などの触媒として有用であることが知られているが,この反応においても触媒活性を示した.
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