Project/Area Number |
09218222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 渉 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20143654)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 金属酸化物触媒 / ヘテロポリ酸 / 酸化モリブデン / 結晶合成 / 構造解析 / 還元構造 / アルカン部分酸化 / 不飽和酸 |
Research Abstract |
還元型12-モリブドリン酸触媒上でのエタン、プロパン、イソブタンの部分酸化反応において生成する酸(酢酸、アクリル酸、メタクリル酸)選択率とオレフィン選択率の結果を比較した。反応物の反応性によって生成物分布は大きく変化し、アルカンの反応性が高いほどオレフィン選択率が低下し、含酸素化合物の選択率が増加した。オレフィン生成が主であったエタン酸化では原料に1次で酸素には0次となり、反応物の活性化が遅い事が伺わせる。アルカンの反応性が高くなると酸素に次数が現われ、イソブタンの様に反応し易い場合では酸素だけに次数が現われた。この結果は、反応しやすいものほど定常条件下では触媒が高い還元状態となっていることと一致し、これが含酸素化合物生成の選択性を生む状況になっていると見る事ができる。このことは、同じ12-モリブドリン酸触媒でも何ら処理を施さない通常の酸化型ではもっぱらアルカン酸化でオレフィンが生成するのに対し、前処理段階で還元体を与えるピリジン処理12-モリブドリン酸触媒では反応条件下でも表面は常に還元状能にあり、含酸素有機化合物への選択率を示したことと良く対応する。還元表面ではアルカンが活性化された後もオレフィンとして脱離することなう強く吸着してさらなる反応が進行する環境が成立していると考えられる。 これまでアルカンのC-H結合活性化において、還元型12-モリブドリン酸触媒のH酸性と還元状態が酸化活性に密接に関係していることに鑑み、メタンモノオキシゲナーゼ型の酸素活性化、酸化反応機構を提案した。触媒表面上のプロトンと還元触媒のもつ電子が協働して酸素分子を活性化し、活性酸素を与え、これがアルカンのC-H結合を活性化し、オレフィン様あるいはアルコキサイド様吸着中間種の生成を導き、引き続くアリル酸化あるいは水和脱水素により生成物に至る機構である。ここでの最も重要な素過程である親電子的な活性酸素の生成を間接的に確認するためプロピレンの部分酸化を行った。酸化型触媒ではアセトンや酢酸が生成する従来の結果となったが、還元型触媒ではプロピオンアルデヒドやプロピオン酸が選択的に生成することが確認された。この結果は明かにプロピレンの二重結合に親電子的に攻撃する酸素種が還元型触媒でのみ形成されることを示しており、先の反応機構が妥当であることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)