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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
分離膜を必要としない反応分離プロセスに対する触媒の有効利用法として,管型反応器の半径方向に温度勾配を付与し熱拡散効果を利用して省エネルギー操作で反応分離を行うための発熱体触媒の開発を行った。ステンレス製熱拡散反応管の発熱体として触媒無担持の炭素棒を用いた場合,メタン転化率が10%以上を達成するためには1200K以上の高温が必要である。この温度領域では発熱体表面にカーボンが析出し発熱体の劣化を招く。本研究では発熱体の劣化を抑制する手法として,Pt触媒を炭素棒発熱体に担持した場合の操作条件が反応温度の低減化,生成物の性状に及ぼす影響について検討を行った。 [1]Pt担持炭素棒を用いた場合のメタン脱水素カップリング活性 発熱体表面温度が1173Kでは,メタン転化率10.5%,エタン選択率89.5%,油状物選択率9.6%でありエチレンは生成しなかった。メタンの見かけ接触時間を8倍増加した場合,メタン転化率は約2倍,オイル収率は約3倍増大した。 [2]触媒担持による表面修飾効果 触媒無担持の場合にメタン転化率10%を達成するには1240Kの表面温度が必要である。したがってPt触媒の担持により表面温度が70K(投入エネルギー換算では35%)の低減化が達成された。1240Kにおける触媒無担持の場合の生成物選択率はエタン19.2%,エチレン60.1%,アセチレン10.3%,油状物4.2%,カーボン6.3%である。Ptを担持した場合はカーボン生成はほとんど認められなかった。以上より発熱体の表面修飾により発熱体近傍でのエチレン,アセチレンの水素化ならびに生成した油状物の低温領域への拡散分離が促進されると考えられる。 [3]油状生成物の性状 元素分析,^1H-NMR測定およびFT-IR測定の結果を総合的に判断し,主成分は炭素数が19-30程度の脂肪族化合物であることが明らかとなった。すなわち主成分として芳香族化合物が得られる触媒無担持の場合とは明らかに異なる結果が得られた。
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