分子性バナジウム酸化物とNOとの反応とダイナミクス
Project/Area Number |
09218256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 篤 関西学院大学, 理学部, 助教授 (60239720)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | NO / 分子性酸化物 / バナジウム / ポリオキソアニオン |
Research Abstract |
VO_3^-、[{(η^3-C_4H_7)_2Rh}_2 (V_4O_<12>)]^<2->、[{(η^4-C_8H_<14>)Rh}_2(V_4O_<12>)]^<2->、及び[{(η^4-C_6H_<10>)Rh}_2(V_4O_<12>)]^<2->とNOとを反応させた所、アセトニトリルを溶媒とした場合は、何れの場合もほぼ100%の収率で[CH_3CN⊂(V_<12>O_<32>^<4->)]が得られた。この様な、アセトニトリルが過剰に存在する条件下では、NOは酸としてのみ働く様である。そこで溶媒をジクロロメタンに変えて反応を行った所、何れのバナジウム化合物を用いた場合も、N-O原子団に特有な赤外線吸収を示す、黒褐色の固体が得られた。これら四種の生成物はどれも極めて類似した赤外、及び^<51>VNMRスペクトルを示した。そこで対象をVO_3^-のテトラブチルアンモニウム塩に絞り、そのNOとの反応を更に検討し一定の赤外、及び^<51>VNMRスペクトルを示す化合物を再現性良く得る条件を確立した。更にこの化合物の結晶化を行い、得られた結晶について元素分析を行った所、それがTBA_3[HV_8O_<22>].3H_2O(TBA=テトラブチルアンモニウム)と言う組成を持つ事が明らかになった(実測値:C37.38%,H7.35%,N2.66%,V26.40%。計算値:C37.39%,H7.52%,N2.73%,V26.43%)。 VO_3^-とNOとの反応に於いて、その中間生成物中にはNOの存在が認められたものの、最終生成物中にはNOは含まれていなかった。結果的には、溶液中でNOが酸として作用し、次の反応が起こった事になる。 8VO_3^-+5H^+→[HV_8O_<22>]^<3->+2H_2O ただ、塩酸等の通常の酸をVO_3^-と反応させても、この様な化合物は得られない。NOがテンプレートとして働いているのではないかと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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