Project/Area Number |
09221209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 雅幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50184726)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ロボデイクス / ヒューマノイド / 知能ロボット / 二足歩行 / 発達 / 行動 / 発現 / 類人猿 |
Research Abstract |
本研究は、人型ロボットが、手をついて歩き、倒れても起き上がり、二足で歩き、手で物を扱って運べるようにもなるという行動が段階的に実現され、その過程を統一的に見通せる機能発現や行動発達の機構を研究しようとしている。 その中で、本年度は、二本の腕を移動に利用できる条件のもので、二足歩行が発現する段階に焦点をおいた。行動を発現させるために、行動指標の表現、身体の形態・構造・運動の制約、発現の操作、などを自由に切替えることができる環境を作り、実機により発現した行動を確認しつつ行動の発現機構に関する事例と発現した機能を段階的に発達させるための操作がどういうものとなるかに関する考察を行なうのが本研究の目的である。 ここでは、まず仮想環境でのシミュレーションで終るのではなく、形態的に発達段階の異なる実態を設け、発現した行動を実環境において検証できる枠組を取り込み、仮想と現実の間の折り合いをどのようにつけるかを明らかにしつつ研究を進めようとして以下のような枠組と実験を行なった。 まず、簡単な行動指標を与えるだけで動作生成がなされ、生成される動作も発展する仕組みをもつ自動化された動作生成・評価系の構築を行なった。基本となるシステムは、ロボットをBodyとBrainに分け、BrainとBrainを育てるMother部を同一のソフトウェア環境に構成するリモートブレイン方式とした。これにより仮想環境だけでなく実環境において同一の行動プログラムが検証可能となっている。 この環境において、人型のロボットが移動する行動に関して行動指標を与えれば、その行動指標値がより高くなるような動作が生成される機構を実現した。生成される動作はパラメータ表現されたレベルであり、条件判断や制御構造が入ったプログラムにはなっていないが、生成される動作が行動指標を高めるように変化する。 とくに、ロボットボディの形態と構造がデータ化されており同じ行動指標であっても身体の形態や構造が変われば生成されてくる行動が変わる。与えられた行動指標に適した形態を与えた場合にはそうでない場合にくらべてより発展したロボットとなる。また、従来は人間が個々の動作をプログラムして与えるという枠組から、行動指標を与え、計算機が動作を生成し評価する枠組への変化は、プログラムを生成するプロセス自体を変えた形の発展形態となっている。
|