微粒子共振器による光電場閉じ込めを利用した新しい有機非線形光学材料の開発
Project/Area Number |
09222217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三澤 弘明 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30253230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 繁樹 徳島大学, 工学部, 助手 (20294720)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 非線形光学効果 / 光カー効果 / 微粒子共振器 / レーザー発振 / ポリシラン誘導体 / PMMA / ロ-ダミン |
Research Abstract |
比較的大きな三次の非線形感受率(χ^<(3)>)を持つポリシラン誘導体を材料として,色素をドープした微粒子を作製し,そのレーザー発振特性を調べて,これまで研究を行ってきたPMMA微粒子と比較した。 ポリシラン誘導体の一種のポリシクロヘキシルメチルシランにロ-ダミンBをドープした微粒子では,ポンプ光強度を増加するとレーザー発振ピークが短波長側にシフトする現象が観測された。このようなシフトはPMMA微粒子では全く観測されなかった。このシフトの原因としては熱的な効果などは考えにくく,非線形光学効果による屈折率の変化が原因だと推測した。そこで,ポリシクロヘキシルメチルシランのχ^<(3)>を縮退四光波混合により計測したところ,その値はPMMAに比べて1桁以上大きく,ポリシクロヘキシルメチルシランで観測されたシフトは,三次の非線形光学効果(光カー効果)による屈折率変化が原因だと結論した。 この光カー効果を誘起するものとしては,ポンプ光とレーザー発振光の二つの可能性が考えられる。これを明らかにするためにシフト量の色素濃度依存性を検討した。その結果,ロ-ダミン濃度が高い微粒子ほどシフト量が大きいことが観測された。ロ-ダミン濃度が高い微粒子ほどレーザー発振の強度が強いことを考えると,光カー効果を誘起しているのはレーザー発振光だと考えられる。シフト量とχ^<(3)>の値から光カー効果を誘起するレーザー発振光の光電場の強度を見積もったところ,ポンプ光より30倍以上大きい値であることが明らかとなった。これは,微粒子の内部の表面近傍で,形態依存共鳴によりレーザー発振光が極めて効率的に増強されていることを示唆している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)