Project/Area Number |
09224204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷川 庄一郎 筑波大学, 物質工学系, 教授 (90011080)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | シリコン / プロセス誘起欠陥 / 点欠陥 / 陽電子消滅 / 原子空孔 / イオン注入 |
Research Abstract |
無転位化を実現し、重金属等の有害不純物を徹底的に低減化することに成功したシリコン結晶において、未だに残留し続ける「究極の不純物」とも言うべきは、結晶自身が含有する点欠陥、特に結晶成長時に凍結された点欠陥および種々のプロセスによって導入された点欠陥である。最近、デバイス製造プロセスにおいて、出発結晶中に内在する固有点欠陥に起因すると想像される種々の問題が顕在化してきた。点欠陥、特に原子空孔型の点欠陥を高感度で検出するための実験手法として、陽電子消滅法が唯一の方法であることが、本研究代表者の過去10年以上に亘る研究成果が明らかにしてきた。本研究では、原子空孔型欠陥の唯一の検出プローブである陽電子を利用して、シリコン中の結晶成長誘起欠陥およびイオン注入誘起欠陥の性状を明らかにした。FZ成長シリコンは、重力下で要請される急速な液化・固化条件のために、不可避的に原子空孔型欠陥が残留することを実証した。一方、Czシリコンは、熱平衡点欠陥と固溶酸素原子との間の反応を制御することにより、原子空孔型欠陥の残留を低減化できることを実証した。イオン注入により発生する原子空孔型欠陥の存在深さは、注入イオンの質量とシリコン原子の質量の比に強く依存することを直接的に観測することに成功した。また、シリコン自身をクリーンな状態に保つために用いられるシリコン酸化膜の存在が、シリコン中の原子空孔型欠陥の熱的安定性に重大な影響を及ぼすことを明らかにした。この現象の主因は酸化膜中の酸素原子のリコイル注入であり、シリコン基板を清浄化しても、この影響を免れることはできないことを明らかにした。
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