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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
カオスネットワークを構成するカオスユニットは,申請者らが開発したカオスチップ内の非線形遅延要素と加算要素である.この他に,カオスユニット間の重み係数の逆数に対応する抵抗を必要とする.このようにして構成したカオスネットワークのふるまいについて調べた. 従来のカオスネットワークにおけるパターンの想起には,(1)記銘パターンが頻度良く想起されない,(2)与えられた初期パターン(提示パターン)に関係なく,すべての記銘パターンが想起されるという二つの問題があった.これらの問題のうち,本研究では(1)の問題について解決法を考えた. 非線形関数(区分線形)の形と,ダイナミカルなふるまいとの関係を調べたところ,飽和逆N型(逆N字型関数と逆サイン関数のMIN)で三つの傾き(-m1,m0,+m1)を特定するパラメータがm0>2.0,m1<-2.5で,x切片の値がx=-1,0,+1であるような非線形関数であれば,想起頻度が著しく向上し,しかも相互結合の重み係数の値を12%(標準偏差)変動させても特性が不安定にならず,効率よく記銘パターンを想起できることが分かった.この実験から,申請者らの提案したカオスネットワークは,集積化した場合に,トランジスタや抵抗,キャパシタ等デバイスのばらつきに対して極めて頑健であることが分かった. この研究の成果は,複数のパターンが記銘されたカオスネットワークで,その中のいくつかのパターンが重複してできたパターンを入力した場合に,それらを分離して交互に想起することが,近い将来可能となるであろう.
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