Project/Area Number |
09226201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小泉 均 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00175324)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アルキルラジカル / 低温化学 / 放射線化学 / 光化学 / 異性化反応 / 水素移動反応 / トンネル効果 / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
低温固相中に捕捉されたアルキルラジカルを紫外光照射すると、2級アルキルラジカルから1級アルキルラジカルへの異性化が起こる。この光異性化とその選択性の原因、トンネル効果の果たす役割を解明するため、1)重水素化および重水素化していないアルカン結晶中でのアルキルラジカルの光異性化の比較,2)部分重水素化したアルキルラジカルの光異性化反応について研究を行った。 2-ヘキシルおよび3-ヘキシルラジカルは、重水素化ヘキサン結晶中でも、重水素化していないヘキサン結晶中でもほぼ同じ効率で1-ヘキシルラジカルヘ光異性化した。このことから、固相中でのアルキルラジカルの光異性化は分子内反応で進むこと、また、隣の分子から水素を引き抜けるような環境でも分子内反応が優先して進むことがわかった。 部分重水素化した2-ヘキシル-2,5,5-d_3ラジカルおよび3-ヘキシル2,2,5,5-d_4ラジカルの光異性化の測定からも、分子内反応で光異性化は起こることがわかった。また、3-ヘキシルラジカルから1-ヘキシルラジカルへの光異性化においては、末端のメチル基についた水素が直接3の位置へ移動することによって光異性化が起こることがわかった。 末端のメチル基の水素原子、すなわち光異性化によって移動する水素原子を重水素に置換した場合の光異性化の効率についても調べた。光異性化の効率は、メチル基の水素を一つずつ重水素化すると約4分の1に減少した。しかし、重水素化した水素の数を増やしても、効率はそれほど変化しない(メチル基のすべての水素を重水素化しても、まったく重水素化していないものの約5分の1).このことから、光異性化に対する同位体効果は、移動する水素に対する同位体効果(1次同位体効果)だけでなく、反応に直接関与しない水素に対する同位体効果(2次同位体効果)もあることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)