Project/Area Number |
09226219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 秀明 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40202501)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | トンネル効果 / 摂動論 / バレー法 / 非摂動論的効果 / インスタントン / バウンス / 漸近級数 / 場の量子論 |
Research Abstract |
本年度は特にバレー法による量子力学の解析に進歩があった。トンネル現象がある場合には、一般に虚時間経路積分法が有用であると考えられている。しかし、従来知られているインスタントン、バウンスを使った計算には各種の不備がある。これらを克服するものとして本研究者は「バレー法」を確立した。今年度は、この方法により、一次元・非対称2重井戸ポテンシャル問題を詳細に解析した。その結果、以下が判明した。 ・トンネル効果による非摂動的影響は、バレー・インスタントン/バウンス解によって取り入れることができる。 ・上の効果は、バレー・パラメータの解析接続により、摂動的効果と完全に分離される。また、この解析接続により、上記の相互作用の遠距離での主要項のみで計算が可能となる。 ・この解析接続を通じて、バレー積分による特異性から、摂動論の漸近的振舞いがわかる。その結果は従来考えられてきたものと異なる振舞いをする。 ・この漸近的振舞を直接の摂動級数の300次までの代数計算で確認した。 これらによって、量子論における摂動論的効果と非摂動論的効果の分離/相互関係の一般的様相が判明したと考えられる。 これらの成果については研究発表文献1-3に発表した他、現在本論文を執筆中である。また、文献2は、上の最新の結果にここ数年間のバレー法の成果を含めた長編のレビューとなっている。
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