グローバル植生指数に及ぼす大気・地形効果の影響評価
Project/Area Number |
09227222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
日下 迢 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20064454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿田 正昭 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50121249)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 植生指数 / NDVI / 大気・地形効果 / 黄砂 / 長距離輸送シミュレーション / エ-ロゾル / ADEOS / POLDER |
Research Abstract |
本研究では、ユーラシア大陸、特に、東アジアを中心に黄砂、エ-ロゾルの場所的・時間的な分布の違いと起伏地形での光散乱を考慮し、衛星データから得られる植生指数へのそれらの影響を評価することを主な目的としている。本年度は以下の2点について研究を行った。 (1)NOAA/AVHRR 1ピクセル内の地形効果の評価 NOAA/AVHRRデータ1ピクセル内には、傾斜角、方位角の異なる斜面が含まれる。このため、AVHRRの分解能と同程度のメッシュ間隔の標高データから得られるΓ'と高分解能の標高データから推定されたΓとの違いを調べた。その結果、太陽高度が低い場合には50mメッシュ標高データから作成されたγ(斜面の法線と入射太陽光の方向とのなす角度の余弦)を平均して求めたΓと1kmメッシュ標高データから得られたΓ'の値はほぼ等しいが、一方、太陽高度が高い時には、ΓとΓ'間には差があることが分かった。即ち、1ピクセル内で反射される輝度値を推定する時、太陽高度が相対的に高い場合には、粗いメッシュの標高データを使用してピクセル内の地形傾斜の影響を適正に評価することは難しいということが分かった。 (2)黄砂粒子の長距離輸送シミュレーション 黄砂粒子の長距離輸送シミュレーションを行い、黄砂の時間的空間的な密度分布を解析し、シュレーションによって得られた黄砂の密度変化と衛星データの濃度分布の対応を調べた。シミュレーション期間は、1995年3月28日から4月9日とした。シミュレーションは、ECMWFデータを基に経路計算を行い、その結果を使って拡散・沈降計算を行った。その結果として、黄砂輸送経路として、朝鮮半島上空を通過し、石川県沖の日本海から北海道へ輸送される経路と九州地方周辺を通過し、関東地方に抜けていく経路の2つのタイプがあることが分かった。また、黄砂の拡散、沈降を考慮した拡散計算による4月9日の黄砂の密度分布から密度の濃い黄砂領域が朝鮮半島上空に渡って分布していることが分かった。1997年4月12、13日撮られたADEOS/POLDER画像には、朝鮮半島南端から日本海に渡って濃い黄砂の雲がかかっている。POLDER画像の黄砂領域とこのシミュレーション結果との直接的な比較はできないが、黄砂の長距離シミュレーションは画像上の黄砂の分布を把握するのに有効であることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)