有機高分子から創製されたセラミックスの結晶化と超塑性
Project/Area Number |
09228201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 眞 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70187128)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 有機高分子前駆体法 / Si-B-C-Nセラミックス / 非晶質 / 結晶化 / 雰囲気制御 / 微細結晶 |
Research Abstract |
ポリボロシラザン高分子の合成は、ポリシラザン(Si-N-C-H)とボランメチルサルファイド錯体((CH_3)_2S・BH_3)を、SiとBがモル比で1:0.33となるようにトルエン溶媒に溶解させ、383Kで6時間、アンモニア雰囲気で加熱還流後、溶媒除去することで行った。合成した高分子を、粉砕・分級・成型によって円柱状の試料を作製し、1273Kで2時間、アルゴン気流中(0.5L/min)で熱処理して非晶質セラミックスを作製した。そのセラミックス生成過程は、高分子のTGA、ガスクロマトグラフ分析と、高分子を473〜1273Kにおいて、所定の温度で熱処理した試料のFT-IR、NMR、元素分析によって調べた。非晶質セラミックスの結晶化挙動は、非晶質セラミックスを1773K以上の高温で2時間、アルゴン気流中(1L/min)で熱処理して、XRDを用いて調べた。結晶性セラミックスの粒界構造はEELSを用いて調べた。 TGAによれば、ポリボロシラザン高分子は、約400〜1050Kの温度領域で重量減少が生じており、約700〜1020Kで炭化水素ガスが検出された。また、FT-IR、NMR、元素分析により、脱水素反応および再結合反応が確認された。ポリボロシラザン高分子と同高分子を1273Kで熱処理した試料の化学組成から、脱水素・脱炭素反応が生じていることがわかる。高分子はこれらの反応でセラミックス化し、1273Kにて熱処理した試料は、BーN、Si-N、Si-C結合を有するB-Si-N-Cセラミックスであることがわかった。B-Si-N-Cセラミックスを高温で熱処理した試料のXRDを行った結果、1873KでSiCとh-BN生成し始めていることがわかる。1973Kの主生成相はβ-SiCであった。B量の異なる非晶質セラミックスから生成したβ-SiCの結晶粒子サイズとB量の関係をシェラ-の式から求めた結果、いずれもナノサイズの微細な結晶粒子から成り、特にB量が0〜6.1wt.%までは、B量の増加に伴って結晶粒子サイズが小さな値となることがわかった。この原因は、β-SiCの結晶粒界のEELS分析により、粒界にh-BNが偏析しており、これがβ-SiCの結晶成長を抑制しているものと考えられる。超塑性発現の是非については年度内に評価できなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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