Project/Area Number |
09228206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水林 博 筑波大学, 物質工学系, 教授 (40114136)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 非晶質合金 / 均一塑性変形 / 非線形弾性 / 通電効果 / 原子の集団運動 / 超塑性 |
Research Abstract |
非晶質合金は低温域ではすべりにより変形が進行し、加工硬化が起きないので多軸応力下では大きな巨視的変形を示すが、一軸応力下ではいわゆる不均一塑性変形になり、巨視的塑性変形量は小さい.加工硬化が起きないと言う意味で理想的塑性変形材であるから、低温域で一軸応力下で均一塑性変形が実現すれば新たな超塑性的材料加工の可能性に繋がる.これまで我々は、非晶質合金が特異な非線形弾性挙動を示すことを見出し、この現象は合金内部で巨大な原子集団の共振振動が励起されることを示唆すると報告した.更に、非晶質合金に電流を通じると異常に大きな内部応力が発生することを示唆する現象を見出しており、この現象は10^5個程度の原子の集団運動により電気泳動力が一部の原子に集中していることを推測させる.以上を総合すると、降伏応力以下での引張り試験中にパルス通電で原子の集団運動を励起すれば、均一塑性変形が発現することを期待させる.本研究では、ソフトな引張りの試験装置を作製し、非晶質合金試料について降伏応力以下での引張り試験中に、充電したコンデンサーの放電を利用するパルス通電を行い塑性変形発現の有無を追究した.実験の結果、パルス通電により塑性変形が発現するのは引張り応力が降伏応力に近く、かつ放電の時定数の逆数が約10^3Hz近傍の場合で有ることを見出した.非晶質合金が特異な非線形弾性挙動を最も顕著に示すのは約10^2Hzであるが、この振動数域よりやや高い振動数域で塑性変形が発現する。これまで、非晶質Pd80Si20,Pd80Ge20,Cu50Ti50合金について観測しており、現時点で発現している塑性変形量はかなり小さいが将来的には大きな変形への進展を期待させる。
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