有機物前駆体法により合成された非晶質セラミックスの傾斜結晶化
Project/Area Number |
09229203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 眞 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70187128)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 有機物前駆体法 / Si-C-Nセラミックス / 非晶質 / 組成傾斜 / 雰囲気制御 / 耐食性 |
Research Abstract |
ポリシラザンに塩化モリブデンとアンモニアとの反応により生成したモリブデン・アンモニア錯イオンとポリシラザンとの反応によりクロロホルムに可溶なMo-Si-C-N-H高分子を作製し、2D-C/Cコンポジットへのコーティングを行った後、焼成することによりMo-Si-C-Nセラミック被覆を試み、同材料の耐酸化性について調べることを目的とした。 合成したMo-Si-C-N-H高分子を1273K、アルゴンあるいはアンモニア雰囲気中での熱処理により生成したセラミックスは非晶質であった。元素分析の結果から、アンモニア雰囲気下での熱処理で炭素の減少が著しいことが確認された。アンモニア雰囲気中で熱処理をすることにより組成傾斜セラミックスが作製可能であることがわかった。熱処理後のXRD測定行った結果、1273Kでほぼ非晶質のMo-Si-C-Nが合成された。 純酸素中でのバルクMo-Si-C-NおよびSi-C-Nセラミックスの酸化試験の結果、Mo-Si-C-Nセラミックスの方が、Si-C-Nセラミックスより優れた耐酸化性を示した。 次に、Mo-Si-C-N-H高分子の25wt%クロロフォルム溶液に2D-C/Cコンポジットを浸漬した試料を熱処理し表面をセラミックス化した後、酸化実験を行った。2D-C/Cコンポジットは熱膨張係数に異方性が大きな材料のため、Mo-Si-C-N無傾斜のコーティング(2回,10回)試料では耐酸化性の改善はあまり認められなかった。これに対し、Mo-Si-C-Nを10回コーティングした後、11回目にアンモニア中1273Kで焼成した試料の最表面はMo-Si-Nになっていると予想され、熱膨張係数が小さくなって表面に圧縮応力が発生し、耐酸化性が著しく向上したものと考えられる。 塩化モリブデン、アンモニア、ポリシラザンからクロロフォルムに可溶なMo-Si-C-N-H高分子を合成し、同高分子から合成されたMo-Si-C-N非晶質セラミックスがSi-C-N非晶質セラミックスよりも優れた耐酸化性があることがわかった。Mo-Si-C-N-H高分子を2D-C/Cコンポジット上に被覆・熱処理しMo-Si-C-Nセラミックコーティングした上にMo-Si-N被覆した2D-C/Cコンポジットは優れた耐酸化性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
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