Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
1.有限要素法を適用することで,不均一電界による液晶分子配向状態及びその分子配向分布に基づく屈折率傾斜特性のシミュレーションを行い,さらに紫外線照射により重合・硬化するUVキュアラブル液晶を用いて液晶分子配向の可視化を行った。これらの結果より,紫外線照射により重合安定化を行うための液晶分子配向の空間分布特性及び屈折率の傾斜特性に対する指針を得ることができた。 2.紫外線重合性モノマーを添加した液晶セルを作製し,このセルに対する印加電圧,重合性モノマーの添加濃度,紫外線照射強度,また照射時間等をパラメータとして,種々の高分子安定化液晶を作製し、屈折率傾斜特性の安定化並びに半固定化のための作製条件を確立することができた。 3.自動ステージ及びステッピングコントローラ等により作製した屈折率傾斜特性測定装置を用いて、紫外線照射により重合・安定化並びに半固定化等を行った液晶セルにおける屈折率の傾斜特性の測定を行った。また,半固定化した液晶セルに電圧を印加した場合の液晶分子の再配向効果による屈折率傾斜特性の変化及びその変化に対する応答及び回復特性を測定した。その結果,重合・安定化を行うことで,印加電圧除去後においても屈折率傾斜特性を保持している液晶マイクロレンズ等の液晶セルを構成することができた。また,重合・安定化の条件を種々設定し屈折率の傾斜特性を半固定化することで,電圧除去後においても屈折率傾斜特性が保持されている液晶セルに電圧を印加することで,屈折率傾斜特性をさらに可変制御できることが示された。さらに,重合・安定化・半固定化等を行わない液晶セルに比べて,応答・回復特性を改善することができた。 4.不均一電界による分子配向特性を利用することで,屈折率の空間的傾斜特性を有する液晶セルを構成し,紫外線照射により重合・硬化するモノマーを添加することで,その傾斜特性を安定化並びに半固定化するという本研究における手法を適用することで,レンズ特性や光偏向特性を有する光デバイスへの応用等,様々な光制御デバイスを実現するための基礎的な諸特性を把握し,またその設計指針を得ることができた.
|