レーザMBE法による強誘電体/強磁性体傾斜機能材料の創成
Project/Area Number |
09229237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田畑 仁 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00263319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 真樹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50243267)
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20092546)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 強誘電体傾斜機能材料 / 強磁性体傾斜機能材料 / 強誘電体 / 原子層制御 / レーザーMBE / 分子動力学計算 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は、レーザアブレーションを用いたMBE法により、強誘電体と強磁性体の原子スケールでの傾斜構造を有する機能性酸化物人工格子を形成することにある。合成した新しいFGMsの電気・磁気特性における極微な傾斜構造の有効性を明らかにすること、さらにコンピュータによる物質設計(分子動力学・分子軌道計算等)を行い、従来経験により得てきた結晶構造や電気、磁気的物性の予測を可能にすることを目指した。 強誘電体単一相薄膜および強磁性体単一相薄膜および強誘電体/強磁性体傾斜機能薄膜はSrTiO_3(100)単結晶基板上にパルスレーザアブレーション法により作製した。この結果強誘電体/強磁性体傾斜機能材料において2種類の伝導機構が観測された。この金属酸化物においては、電子が遷移金属イオン間をホッピングしていくことにより磁気モーメントが揃い強磁性が発現する(2重交換相互作用)。ゼロ磁場下あるいはTc以上の温度領域では、電気伝導は半導体マトリックスに依存しており、ここでは局在スピンが熱振動(室温)している。従って、電気伝導を担うスピンは、熱振動している局在スピンに阻害されて十分な伝導ができない。この為、電気抵抗は圧電効果によるわずかな格子歪により大きく変化した。つまり歪みの導入されたLSMO層に於いてMn-O-Mn間の結合距離(d)は長くなっていると考えられる。Coの3d軌道からOの2p軌道への電子の飛び移り積分(tpd)は少しの結合距離dの増加に対して、tpd;d^<-7/2>と大きく変化しする。このため電気抵抗の増大・磁気転移温度の減少を引き起こすと考えられる。一方外部磁場が印加されると、局在スピンが整列するため、伝導スピンは金属的に自由に伝導可能となる。この場合は印加電場によるわずかな誘起電荷が電気抵抗を決定する因子となることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(17 results)