Project/Area Number |
09229246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
西山 勝廣 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (20084478)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 傾斜機能材料 / 傾斜化プロセス / 冷却素子 / ヒートポンプ / ウォーターミスト / ミスト冷却 / クーラー / 冷却機 |
Research Abstract |
現在の家庭用クーラーは、ヒートポンプと蒸発エンタルピーの大きなフロンガスなどの冷媒を利用したものが用いられている。フロンガスはオゾン層の破壊など地球環境に重大な影響を及ぼすことから代替冷媒物質の探求が行われているが、代替フロンガスといえども環境に与える影響は極めて大きいので新しい冷却システムの開発が求められている。そこで本研究では、冷媒として水ミスト、冷却素子としてフラクタル次元表面を有するヒートポンプから構成される新しい冷却システムを開発するための検討検討を行った。この方法は空気気流中のミストを加熱面に衝突させて伝熱促進を図る方法であるが、理論的には単相流に比べ約数倍の伝熱促進率を有する。この新しい方法の実現には、二つの技術的困難がある。一つは冷媒物質として用いる水のミストの粒子径を0.1μm以下とするミスト発生技術の確立であり、もう一つは表面積の極めて大きないわゆるフラクタル構造に近い表面を有するヒートポンプの作製技術の確立である。本研究の結果、ミストの発生にはレナード効果を用いることにより0.1μmあるいはそれ以下の粒子径の水ミスト発生装置を実現した。さらにフラクタル構造に近い表面を有する冷却素子の開発には傾斜化プロセスが極めて有効な方法であることが明かとなった。傾斜化プロセスを用いたことによって粒子の接触点数の傾斜化が行われ、結果として焼結後の素子の表面には粗粒、中粒、細粒の傾斜化と気孔のが実現できた。冷却素子の材種は、金属、セラミックスなど種々の材種を検討したがミストに対し冷却効率の高い材質の検討を今後も続ける必要がある。例えばCu/80/90/100の冷却素子の表面は1.64のフラクタル次元を有するが、試作した冷却機による評価実験から、この冷却素子を用いた場合にはミストによる冷却効率は単相流のそれと比較して約2倍以上の冷却効率が得られることが分かった。 よって本研究によって示された傾斜化プロセスを用いた冷却素子の作製、水ミストの発生装置の開発並びに評価実験については、当初の目標を達成したものと考えられ、そして傾斜化プロセスを用いた冷却素子から構成される水ミストによる新しい冷却方式は極めて有望な技術と結論する。
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