Project/Area Number |
09231231
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 大阪大学, 工学部, 助教授 (30171953)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | エンイン / 骨格再配列反応 / ルテニウム / 塩化白金 / 多環状化合物 |
Research Abstract |
本研究では、エンイン骨格の触媒的再配列反応を利用した多環状化合物の1段階合成の開発を目的とした。そのベースとなった反応はわれわれのグループで見い出した塩化ルテニウムを触媒とするエンイン骨格の再配列反応である。末端アセチレンの場合、特に効率的に反応は進行する。この反応では、塩化ルテニウム以外にも塩化白金、塩化レニウム、塩化イリジウム、塩化ロジウム、塩化金などの金属塩化物や酢酸ロジウムが触媒活性を示すことがわかった。また、用いる金属によって、適応できる基質の構造が異なる場合もあることがわかった。 反応機構は今のところはっきりとしない。しかし、反応機構の検討よりカルベノイド中間体Iの介在が示唆された。そこで、そのカルベノイド中間体Iを経ていると仮定して、Iの種々の官能基による捕捉を試みた。その結果、分子内の適当な位置にオレフィンを有する基質を用いたとき、カルベノイド中間体がオレフィンにより捕捉された4環性の化合物2を単離することができた。2は新規な骨格を持っている。この反応では、シクロプロパン化が2回おこっていることになる。7員環に対して2つのシクロプロパン環は互いにトランスの関係にある。触媒として、[RuCl_2(CO)_3]_2(75%,4h)だけでなく、PtCl_2(75%,4h)、ReCl(CO)_5(74%,24h)、Rh_2(OOCCF_3)_4(72%,1h)も高い触媒活性を示すことがわかった。合成化学的見地から、比較的単純な鎖状化合物から複雑な骨格を持つ多環状化合物が1段階で合成できることは興味深い。また、この結果は、エイイン骨格再配列反応におけるカルベン中間体Iの介在を示唆している。
|