Project/Area Number |
09232101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢野 重信 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60011186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・地球環境化学研究科, 助教授 (80113538)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | インターカレーター / 高分子錯体 / 糖 / 抗癌性 |
Research Abstract |
1.本研究は当研究室で世界に先駆けて切り拓いてきた糖質の配位化学を基盤にし、錯体の構造と機能の相関を明らかにしながら抗癌性、抗菌性配糖錯体および高分子錯体という新物質領域を開拓して行くことを目的としている。本年度は1)DNAに対してより選択的に結合するインターカレート部分を有するシスプラチン型Pt(II)錯体の開発を行った。2)配糖錯体の高分子化のための準備研究としてN-メチルエチレンジアミンとD-リボースのNi(II)配糖錯体の合成を行った。またモノマー官能基をもつN-置換ジアミン開発した。さらに、3)糖質を有する新規キレート配位子の開発とその金属錯体の合成を行った。 2.1)インターカレート部位を有するシスプラチン型錯体の合成と性質:インターカレートとしてアクリジンを有するジアミン配位子ACCH_2enを新しく合成し、その白金錯体[PtCl_2(ACCH_2en)]の結晶構造を明らかにした。さらにマウス白血病P388による制ガン効果の検定を行ったところ、dose 50mg/kgでT/C値が113となり、わずかではあるが延命効果が見られた。2)N-メチルエチレンジアミンとD-リボースのNi(II)配糖錯体の合成とキャラクタリゼーション7)モノマー官能基をもつN-置換ジアミン開発:良好な結晶が得られた[Ni(D-Rib-N-Meen)_2]Br_2のX線結晶構造解析のを行い立体構造とCDスペクトルとの相関を明らかにした。3)糖質を有する新規キレート配位子とその金属錯体の開発:糖質を含む金属錯体の新機能開発を目指し、糖とアミンの組み合わせとして、アミノ糖に代わり新規配位子2-β-O-D-glc-pnの合成法を確立した。本化合物は他の糖に、あるいは他のジアミンに対しても広く拡張でき、きわめて有用である。 3.現在新機能材料の開発を目指して配糖錯体の高分子化を進めている。
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