Project/Area Number |
09232206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 徳治 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (40124630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 純 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50250709)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 高分子 / LB膜 / 光電流 / 電子移動 |
Research Abstract |
本研究では秩序構造を有する高分子単分子膜をラングミュアーブロジェット法にて二次元的及び三次元的に組織化し,分子配列の制御された生体膜類似の機能発現を目指したナノ高分子薄膜を作成することを目的としている。長鎖アルキルアクリルアミド高分子の優れたLB摸形成能を利用し、種々の光機能団を有する共重合体を合成し、光架橋団を導入した三元共重合体の単分子膜、LB膜の開発をめざしている。本年度は、電極界面での高次組織体の構築を目指しフェロセン誘導体(Fc)やルテニウムビピリジル錯体(Ru)を導入したレドックス高分子LB膜の作製を試みた。また、FcLB膜およびRuLB膜からなる種々のヘテロ積層構造を電極界面上に構築し、光電気化学的挙動について検討を行った。先ず、ITO電極上にFcLB膜及びRuLB膜を順次累積して、累積順序の異なるITO/Fc/Ru及びITO/Ru/Fcの二種類のヘテロ積層LB膜電極を作製した。ヘテロ積層LB膜のCV結果から、内膜がRuLB膜の場合フェロセンの酸化還元電位では外膜のFcLB膜の酸化反応は起こらず、RuLB膜が酸化される電位で初めて外膜のFcLB膜の酸化が触媒的に起こることがわかった。一方、内膜がFcLB膜の場合、CV波形はフェロセンに基づく酸化還元波しか得られず、外膜のRuLB膜の酸化還元波はルテニウム錯体が酸化還元反応する電位においても観測されなかった。これらの結果から本へテロ積層LB膜では、内膜のレドックス種の種類や酸化還元状態に対応して内膜は外膜の絶縁層として機能したり、外膜が電極との電気的接触をとるためのメディエーター層として機能しており、電極上に高秩序構造が形成されていることが明らかとなった。次に、定電位における光電流応答測定を行った。光電流応答は光照射に伴い、累積順序によりカソードおよびアノード電流が観測された。これは光照射により励起されたルテニウム錯体がフェロセンまたはITO電極と電子移動消光し、ルテニウム錯体の一価とフェリシニウムが生成するためであり、これらのうち内膜が電極反応することで光電流の向きが決まる。すなわちヘテロ積層LB膜のように電極界面上に高秩序構造を構築することで光電流の向きを制御できることが明かとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)