両親媒性高分子間の会合制御による新規ナノ組織体の構築と機能
Project/Area Number |
09232235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90201285)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 両親媒性高分子 / ナノ組織体 / 疎水化高分子 / 自己組織化 / 多糖 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究ではブロック型の両親媒性多糖の合成と、その機能について検討した。アミロースは螺旋形成能を有する多糖であり、その螺旋空洞内に種々の疎水性低分子物質を取り込むことによって包接錯体を形成する事が知られている。しかし、アミロース自体は凝集・沈殿しやすいことからその溶液内挙動、高分子ホストとしての利用は十分検討されているとはいいがたい。そこでアミロースの螺旋形成能を乱すことなく、水、及び有機溶媒に可溶な両親媒性多糖としてアミロース鎖末端にPEO(ポリエチレンオキシド)鎖をブロック型で導入したPEO-アミロースを合成し、水及び有機溶媒中での会合特性とその機能について検討した。分子量が約5000のPEO鎖の末端にマルトペンタオースを導入したプライマーを合成し、グルコース-1ーリン酸存在下、ホスホリラーゼを用いた酵素反応により、アミロース鎖の重合度26,36,及び73から成るPEO-アミロースを合成した。酵素反応時間により重合度を制御しえ、比較的単分散な高分子が得られた。PEO-アミロース(n=73)を一旦DMSOに溶解した後に混合することによりPEO-アミロースをクロロホルムに可溶化しえた。この際の水分含量は通常0.02wt%以下であった。DLS測定により会合体の大きさ(Dh)は約46nmであった。アミロースはクロロホルムに全く溶解しないことから、PEO-アミロースはアミロース鎖を内核とした高分子ミセルを形成していることが示唆される。また、アミロース内核は水を安定に保持し得ることから、低分子界面活性剤等でみられる逆ミセル構造をとっているといえる。逆相ミセル内水相では、アミロース鎖は螺旋形成が可能で特異な分子認識場として有効に機能することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)