Project/Area Number |
09232258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
加納 航冶 同志社大学, 工学部, 教授 (60038031)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | アルキルアミン単分子膜 / キラルピレン単分子膜 / キラルビナフチル単分子膜 / アニオン認識機構 / 形態学 / AFM顕微鏡 / BAM顕微鏡 / 不斉認識 |
Research Abstract |
アルキルアミン単分子膜のアニオン認識機構:N,N-ジメチルステアリルアミン(C18N)を膜成分として用い、サブフェーズにハロゲン化ナトリウムを加えてπ-A等温曲線を測定すると、ハロゲン化物イオンがF,Cl,Br,Iとなるに従い、単分子膜は膨張した。その機構を膜電位、AFM顕微鏡の測定より行い、強いイオン対C18NH^+X^-を形成する場合(X=1)には、膜圧縮にともない膜表面での静電反発が顕著になり膜は膨張するが、弱いイオン対を形成するX=F,Clの場合には、膜圧縮にともない膜表面からの脱プロトン化とそれにともなうイオン対の消滅により、密な単分子膜が形成されることが明らかとなった。 キラルピレン単分子膜の形態学:6位にステアリル基を有する1-ピレニルエタノール(SP6E)の単分子膜は、ラセミ体と光学活性体とでは異なる形態をとることがそれらのπ-A曲線から予想される。今年度はAFMおよびBAM顕微鏡観察からSP6E単分子膜の形態を検討した。その結果,光学活性体膜ではピレン環が規則正しく配列しているのに対して,ラセミ膜ではやや乱れた配列となることが、AFM観察から明らかになった。さらに、BAM顕微鏡観察からSP6Eは膜圧縮以前から水面上でドメインを形成しており、それが膜圧縮により均一な結晶膜となっていくことがわかった。一端形成された結晶膜は容易に壊れることはなく、圧縮用のテフロンバーを元に戻しても、運河状の亀裂が生じるのみで、膜成分は水面上に均一に展開しなかった。 キラルビナフチル単分子膜:2,2'-ジ-O-ステアリル-1,1'-ビナフチル-6,6'-ジカルボン酸(C18BN)は、水面上に単分子膜を形成する。サブフェーズにヘプタキス(トリ-O-メチル)-β-シクロデキストリン(TMe-β-CDx)を存在させて光学活性なC18BNのπ-A曲線を測定したところ、(R)-C18BN膜に比べて、(S)-C18BN膜は顕著に膨張した膜を形成した。つまり、膜界面での不斉認識が実現できることがわかった。 シクロデキストリンによるヘリシティーの認識:未修飾のβ-シクロデキストリン(β-CDx)が1,12-ジメチルベンゾ[c]フェナントレン-5,8-ジカルボン酸のヘリシティーを極めて高度に認識することが、CZEおよびNMR測定から明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)