直下地震による3次元不整形堆積盆地の強震動予測と破壊能評価
Project/Area Number |
09234217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠崎 祐三 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80026236)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 3次元不整形地盤 / 震害 / 境界要素法 / 直下地震 / 断層震源 |
Research Abstract |
表層地質が地震動の特性に大きく影響し、地震動災害が限られた特定の地域に集中する現象をしばしば経験してきた。特に、1995年兵庫県南部地震では、建物被害が震度7の「帯状地域」に集中し、世界中の注目を浴びた。したがって、本研究では地形・地層構成が複雑に変化する不整形地盤の影響との関連に於て強震動の構造物への入力機構を理論的・実験的に明らかにすることにより、都市の震害予測ならびに防災・減災対策の策定に不可欠な、来襲強震動の破壊能評価のための基礎的知見を得ることを目的とする。3次元不整形地盤域にある構造物の耐震安全性を評価する作業は、(1)まず最初に不整形地盤域の強震動を精度よく予測する。(2)次に、この強震動を入力地震動として想定し、この不整形地盤域に建つ構造物に耐震安全性を評価する。以上の二つの作業項目に大別できるが、前者の作業、すなわち、不整形地盤域を伝播する強震地動を精度よく予測することは極めて困難な作業を伴い、全作業の中で最も大きな比重を占める。3次元不整形堆積地盤の地震動特性を境界要素法での数値解析内容を大別すると、1)→グリーン関数に基づき地層境界面の離散化要素の変位あるいは表面力による積分評価を行い密マトリクスを作成する。2)→このマトリクスに基づき地層境界面での入力変位場を考慮して複素多元連立方程式を解き、地層境界面での変位及び表面力を評価する。3)→その境界面での変位及び表面力を用いて3次元不整形堆積地盤の任意の地動変位応答を評価する。以上の3つのステップに分けることができる。もっとも難解で計算時間が掛かる部分はステップ2である。その際、採用するグリーン関数として、全無限地盤と半無限地盤を対象とするものの二つに分けることができるが、閉形解で表示されるため計算の容易な前者のそれに対して、後者のグリーン関数は、それ自身が無限積分表示されるため、数値計算は難解で計算時間も非常に掛かる。従って、汎用コンピュータの20〜30倍の処理速度が期待できるスーパーコンピュータ活用による数値解析手法を開発する。この研究と並行して、全無限地盤グリーン関数に基づく近似解と半無限地盤グリーン関数に基づく厳密解の両者の長所を巧みに組み合わせることにより3次元不整形堆積地盤の強震動予測法の開発を行う。ここでの研究では計算機使用料の不要なワークステーションを用いてグリーン関数の効率のよい計算プログラムを併せて開発しながら研究を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
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