都市災害の緊急対応として建設する高齢者・障害者用の仮設住宅に関する研究
Project/Area Number |
09234225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 正美 京都大学, 工学研究科, 教授 (50109021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 紀男 理化学研究所, 地震防災フロンティア研究センター, 研究員 (40283642)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 阪神大震災 / 応急仮設住宅 / ケア付き仮設住宅 / 災害弱者対応 |
Research Abstract |
阪神大震災によって建設された応急仮設住宅のなかに、個室と共用スペースを併せ持ち、ヘルパーの常駐する小規模な高齢者・障害者用の仮設住宅が含まれる。いわば北欧のグループホームともいえるこうした形態の共同住宅は、日本においては私的取り組みがなされているにすぎず、災害後の仮設住宅のみならず、日本の高齢者の居住形態のあり方を考えるうえで重要である。本研究では、芦屋市、尼崎市、西宮市、宝塚市に建設された20棟を対象として、建築環境、施設サービスの実態を図面化するとともにデータシートに記録し、入居者の意識をヒアリングによってその現状を明らかにするとともに、建築環境、施設サービスの問題点ごとに整理した。その結果、建築環境については、庇やスロープなどの当初の建築的不具合を明らかにするとともに、こうした問題点が入居者とヘルパーの要請に応じて次第に解消される過程を明らかにした。このなかには、ボランティアと協力して、建築的な不具合を改良する事例が含まれ、こうした入居者の主体的な関わりが、スムーズな適応をもたらしていることを指摘している。また、施設サービスについては、運営を委託された組織毎の活動内容を明らかにするとともに、小規模な形態によって入居者とヘルパーの交流が密になっていることの利点とともに、施設サービスをフォローする役割としてのボランティア組織の重要性を指摘した。また、ヒアリングから、特別養護老人ホームのように一律の入居基準がなかったことが、かえって多様な高齢者・障害者の同居を可能にし、高齢者相互の扶助が共用スペースにおいてなされていること、ならびに、全般的にこれまでの高齢者福祉施設と比較して地域との接触が多いことを明らかにし、災害時の仮設住宅のみならず、今後の高齢者施設の選択肢の一つとして位置づける必要性を指摘してる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)