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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
今回の兵庫県南部地震による地盤被害に関しては,地表面付近の地質構造および軟弱な地盤特性が大きく影響したと考えられる.しかしながら,的確な地盤構造およびその非線型パラメータを含む動的物性分布の見積りが不十分であることと,これらを考慮した波動計算手法がまだ十分ではないために定性的な評価の域を出ず,今後,地表面応答の計算を充分吟味する必要がある.現時点では,野外計測における大ひずみ領域の応力-ひずみ関係を直接計測したり,液状化強度を的確に把握するといった具体的研究例はまだ報告されていない.これらの問題解決のために,地盤の構成方程式を基本に非線型性を評価できるモデルを構築することと入力パラメータをどのように見積もるか重要な課題となる. 弾塑性体力学の観点から剛性率のひずみ依存性を微小ひずみ領域から大ひずみまで,ひずみによらない2つの材料定数によって単純に表現できることがわかった.その式はG_0/G=1+α γ^βであって,ここでG_0,Gは微小ひずみ領域と非線型領域での剛性率,γはひずみ,αおよびβはひずみによらない定数である.これまでに報告されているH-DモデルやR-0モデルに比べてよく近似でき,さらにこれらを非排水状態におけるセン断変形での間隙水圧の上昇と密接に関連させていくことも検討中である. 提案された式の最も重要な利点は微小ひずみにおける応力-ひずみ関係から大ひずみの応力-ひずみ関係を予測できる点にあり,これの意味するところは,野外の微笑領域における動的計測から強震時の地盤の応力-ひずみ関係を原理的に予測できるということである.従来のPS検層を基本として,S波震源のエネルギーの大きさを何段階かに変え,その時の走時の遅れを精密に計測することによって,2つの非線型パラメータを決定できる可能性がある.現在このシステムの構築を急いでいる.
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