亜鉛原子を含む特異なフェレドキシンの構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
09235204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若木 高善 東京大学, 大学院・農業生命科学研究科, 助教授 (70175058)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 古細菌 / 熱安定性 / フェレドキシン / タンパク質工学 / 熱変性 / 亜鉛 |
Research Abstract |
好酸好熱性古細菌Sulfolobusのフェレドキシンの特異な構造、すなわちN末端側37残基の付加的配列による1原子の亜鉛の結合が、いかなる意義を持つのかを明らかにする目的で、まず、蛋白質工学的方法により、N末端側37残基の一部ないし全部を欠失した変異型フェレドキシンを作成し天然型と比較した。すなわちN末端から順に0、11、16、22、37残基を欠失したものをG1、V12、S17、G23、V38と名づけた。 これらの蛋白1モル当たりの亜鉛含量はG1、V12では1原子、S17、G23、V38では0原子であった。クラスターの変性温度Tmは、G1と天然フェレドキシンでは100℃以上であるのに対し、V12では約98℃、S17とG23では約89℃、V38では約83℃であった。以上の結果から、本フェレドキシンのクラスターの熱安定性にとって、亜鉛およびN末端37残基の配列は極めて重要な役割を担っていると結論した。 次に、S17変異体を用いて、変性機構の解析を行った。加熱によるクラスターの崩壊と、遠紫外CDスペクトルから見たαヘリックス含量の減少、近紫外CDスペクトルから見た側鎖のコンホメーション変化は、ほぼ同一のTm(89℃)を示したことから、熱変性に伴うこれらの変化は、同時に進行すると思われる。 今後は、これらの変異フェレドキシンの関与する酸化還元反応・活性中心である鉄硫黄センター等について検討するとともに、欠失変異でなく亜鉛原子の結合に関与する残基の置換体についても検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)