チトクロムc_3におけるヘム・タンパク質相互作用と電子移動制御
Project/Area Number |
09235208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | チトクロムc_3 / ヘムタンパク質 / 電子移動 / 酸化還元電位 / NMR / 電気化学 / 電子移動制御 |
Research Abstract |
チトクロムc_3は4つのヘムを持つために、4つの巨視的酸化還元電位と32個の微視的(個々のヘムの)酸化還元電位が定義される。これらの酸化還元電位のイオン強度依存性を調べたところ、巨視的酸化還元電位の変化は比較的小さかったが、微視的酸化還元電位は特徴的な変化が観測された。電子移動速度の解析からは、電子供与体が電気的に中性の場合は最初の電子が入る速度はイオン強度が上がると抑えられた。最初の電子を受け取ると考えられるヘム4や1の酸化還元電位の変化は一電子還元過程では小さく、これでは電子移動速度の抑制を説明できないことが分かった。一方、完全酸化型におけるヘムメチルやプロピオン酸のプロトンのNMR化学シフトのイオン強度依存性を見ると、ヘム4と1で変化が大きかった。したがって、構造的要因が電子移動速度を変化させたものと考えられる。電気的に中性の電子供与体からの電子移動速度のもう一つの特徴は4個目の電子が入るときの速度が高いイオン強度では速められることである。これに主に関係するのはヘム3および2であると考えられる。4電子還元過程におけるヘムの酸化還元電位はイオン強度の上昇とともに大きくなっており、これが電子移動速度の増大の主な原因になっていると結論できる。 われわれはさらに、構造的な情報を得るために効率の良い安定同位体標識法を開発して、N^<15>をユニフォームに標識し、完全酸化型および完全還元型のチトクロムc_3のプロトンシグナルの完全帰属を進めている。この中でN^<15>標識チトクロムc_3の2次元NMRスペクトル上でペプチドのアミドとは異なる領域に8つのシグナルが観測された。この帰属を行ったところ、配位イミダゾールによるものであることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)