銅アミン酸化酵素におけるキノノイド補酵素と銅イオンの相互作用
Project/Area Number |
09235219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20133134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟禮 美苗 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20275241)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | キノノイド補酵素 / 銅アミン酸化酵素 / 銅イオン / トパキノン / 金属酵素 / 金属置換 |
Research Abstract |
銅含有アミン酸化酵素は生物界に普遍的に存在し、種々の生理活性アミン類の酸化的脱アミノ反応を触媒する。本酵素は、補酵素として2価の銅イオンと共有結合型の新規キノノイド化合物であるトパキノンを含有する。私どもはこれまでに、コリネ型細菌Arthrobacter globiformisのフェニルエチルアミン酸化酵素を用いて、前駆体チロシン残基が2価の銅イオン存在下で自動酸化を受けることによりトパキノン補酵素が生成することを明らかにしてきた。本年度は、触媒反応における銅イオンの役割を解明するために、銅/トパキノン含有ホロ酵素から銅イオンを除去した酵素を調製し、得られた銅アポ型酵素の分光学的性質や各種金属イオンによる再酸化反応、および金属置換型ホロ酵素の性質について検討した。先ず、フェニルエチルアミン酸化酵素の吸収スペクトルのpH依存性を調べた。その結果、酸性側pHにおいてトパキノンに由来する480nm付近の吸収が減少し、そのpKaはモデル化合物よりもpH1以上低い約2.8であった。すなわち、酵素の活性部位においてはキノン環のπ電子がより非局在化していてC4位水酸基が解離しやすくなっていると同時に、他のアミノ酸残基との水素結合などにより、解離型が安定化されていると考えられた。次に、結合銅イオンによるトパキノンの分光学的性質に及ぼす影響を調べるために、亜ニチオン酸トパキノンモデル化合物は水溶液中で速やかに空気酸化を受けるのに対し、銅アポ型酵素中ではトパキノンは極めて安定に還元型のままで存在した。2価の銅イオンは還元型トパキノンの再酸化反応を顕著に促進したが、2価のコバルト、およびニッケルイオンも再酸化反応を触媒した。しかし、銅によって再酸化された酵素が銅除去前と同等の活性を回復したのに対して、コパルトおよびニッケル置換型酵素は酵素活性が見られなかった。一方、これらコバルトおよびニッケル置換型酵素に基質アミンを加えるとトパキノンの速やかな還元反応が観察された。従って、銅イオンは基質との反応によって生成した還元型トパキノン補酵素の再酸化過程に必須の役割を果たすと結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)