Project/Area Number |
09236208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯尾 勝矩 東京工業大学, 理学部, 教授 (20016132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 伸夫 高エネルギー加速器, 研究機構科学研究所, COE職員
片山 利一 電子技術総合研究所, 材料科学部, 主任研究員
加藤 徹也 東京工業大学, 理学部, 助手 (00224519)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 微小領域磁性 / 磁性金属-非磁性金属超格子 / ラマン散乱 / 素励起 |
Research Abstract |
磁性金属-非磁性金属超格子系の物性の解明に先立ち試料の層面構造を吟味する手法として、半導体超格子系の実験で成功を収めているラマン散乱による格子振動モード解明の実験を試みた。対象の超格子系は本研究の分担者中島が、高エネルギー加速器研究機構物質科学研究所小出及び研究分担者片山らと協同で行なった内殻吸収磁気円二色性の実験に用いた系であり、超格子金属磁性に固有な物理現象として、Co膜厚の減少に伴うCoの軌道角運動量の増大が見い出されている。この結果は、Co/Pt多層膜中のCoがfcc構造をとり続けることはなく、8〜10ML付近でhcp構造に移ることに起因すると解釈することで合理的に説明できる。格子力学的に見るとfcc構造ではラマン活性の光学フォノは存在しないが、hcp構造ではラマン活性の光学フォノンが存在するため、Co膜厚の変化に伴う積層構造のスイッチングがフォノンラマン散乱に如何に反映されるかを確かめることは大変興味深い課題である。顕微ラマン装置を用いた実験の結果、従来散乱強度が微弱とされていた金属を対象にするラマン散乱ではあるが、弱いながらも測定にかかるラマン・シフトが観測できた。これらのラマンシフトの系統的同定は未だ確定的でなく、また、再現性についても吟味が必要でもある。しかし、今後、金属超格子系に特有な格子振動を含む素励起をラマン散乱により明かにする端緒のデータが得られたものと考えている。我々は、ラマン散乱により超格子に特有な格子振動モードに関わる効果: (1)超周期構造に伴うモードの畳み込み、 (2)モードの封じ込め、 (3)異種金属境界で局存する境界モード、 (4)表面付近に局在する表面モードなどの格子ダイナミックスの測定、 を通して金属超格子の積層構造を明かにする研究を引き続き行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)