Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
金属人工格子の特異な磁気特性は人工格子の界面構造と密接に関係していると考えられ,高品位な膜作りと十分な構造評価が人工格子を研究する上で極めて重要な要素となる.本研究では、前者についてはMBE法によりエピタクシアル膜を作製し、後者についてはエピタクシアル成長中のRHEEDパターンの連続観察法,すなわち,成長中にRHEEDパターンをCCDカメラを通してビデオ録画し,ストリーク間隔の変化を詳細に解析することで,連続的に膜面内の格子間隔の変化を評価した. 金属人工格子の実効的な磁気異方性定数は,対称性の低下からくるネ-ルの界面磁気異方性,歪みによる弾性磁気異方性,および,結晶磁気異方性と反磁界の効果で表され,ネ-ルの界面磁気異方性は,界面で接する原子種により大きく異なる.本研究では,3元系で,積層順序を変えたCu/Co/Au系人工格子とAu/Co/Cu系人工格子を作製し,構造と磁性を比較した.2つの人工格子を比較した場合,界面の両側に接する原子種が同じになるので,ネ-ルの界面磁気異方性の効果を取り除いて考察することが可能になる. Cu/Co/Au系中のCoの格子間隔はAu/Co/Cu系の場合に比べて連続的に大きく減少することが明らかになった.従って,前者のCo層は後者に比べて,大きな歪みを内包していると考えられる.室温での磁化曲線では,Cu/Co/Au系では垂直磁化膜となり,Au/Co/Cu系では膜面内磁化膜となった.前者のCo層内に大きな歪みがあることから,この磁気異方性の違いの原因として,歪み構造による磁気弾性異方性の影響と理解できる.
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