Project/Area Number |
09237103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90027350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 修 通産省工業技術院, 物質工学技術研究所, 主任研究員 (70214781)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 電極界面 / 層構造 / エネルギーギャップ則 / 非線形性 / 電極反応 / モンテカルロシミュレーション / 金属電極 / 一次元反応場 |
Research Abstract |
電極界面のイオン配列構造とそこでの電極反応のメカニズムを明らかにするために、モンテカルロシミュレーションをおこなった。この系は金属電極と電解質イオンを含む極性溶媒からなる複雑な分子界面を作っている。そのためシミュレーションの計算が困難であり、また大量の計算時間を要する。このような事情から、ここでは分子モデルを簡単化して、かつ溶液系を球状の容器に閉じこめ、計算時間の短縮化をはかった。すなわち、すべてのイオンと溶媒分子と反応体を剛体球においた。電極との相互作用には鏡像力を考慮した。極性分子には中心に点双極子をおく。 外部電圧がかかるときは正イオンの数と負イオンの数に差をつけた。得られた結果は次のとおりである。外部電圧がかからないとき、正イオンと負イオンは金属表面に直接吸着した。外部電圧がかかるとき、片方の種類のイオンが強く電極に吸着し、もう一方の種類のイオンがそれと半径より少し多くはなれて配列した。その後ろには元の種類のイオンが再び半径より少し離れて配列するという全く新しい層構造が見いだされた。次に反応体と電極との間で電子移動反応を起こさせ、その速度のエネルギー差依存性(エネルギーギャップ則)を求めると、ガウス関数形とは全く異なるブロードなエネルギーギャップ則が得られた。このことは電極反応には溶液及び反応体の配向と位置揺らぎに非常に大きな非線形性の存在する事を意味する。溶液中電子移動反応に比べて電極反応で非常に大きな非線形性が得られる理由は電極反応場が基本的に一次元であることにあると結論された。
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