Project/Area Number |
09237209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 純 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (50250709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 徳治 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (40124630)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ラングミュアーブロジェット膜 / フェロセン / ルテニウムビピリジル錯体 / ヘテロ積層構造 / 光誘起電子移動 |
Research Abstract |
ラングミュアーブロジェット(LB)法は分子レベルで配向・配列制御並びに超薄膜の作製が可能であることから電極界面上に高秩序構造を構築でき、構造規制に基づく分子機能発現・制御が期待できる。これまで我々はLB膜形成モノマーと機能性モノマーのラジカル共重合により簡便にLB膜を機能化できる高分子LB膜に着目し、様々な機能性高分子組織体について検討を行っている。本研究では、電極界面での高次組織体の構築を目指しフェロセン誘導体(Fc)やルテニウムビピリジル錯体(Ru)を導入したレドックス高分子LB膜の作製を試みた。また、FcLB膜およびRuLB膜からなる種々のヘテロ積層構造を電極界面上に構築し、それらの高次構造によって発現する新規な分子機能に基づく電気化学的及び光電気化学的挙動について検討を行った。 1.構造規制界面による光電流のベクトル制御 RuLB膜だけでは光励起されたルテニウム錯体(Ru^<2+*>)がITO電極と光誘起電子移動を行うが、速やかな逆電子移動のため外部へ光電流として取り出せない。これに対し、ヘテロ積層構造ではRuとFc間の光誘起電子移動によつて電荷分離状態(Ru^+,Fc^+)が生じ、逆電子移動と電極反応の競争反応により光電流が発生すると考えられる。その電流の方向性はこれらのうちの内膜が電極反応することで決まる。すなわちヘテロ積層LB膜のように電極界面上に高秩序構造を構築することで光電流の向きを制御できることを示している。 2.高次組織化構造による光量子収率の高効率化 TEOA存在下RuLB膜及びITO/Fc/Ruヘテロ積層LB膜の光電流を比較すると、明らかにヘテロ積層構造にすることで光電流は大きくなり、光誘起電子移動効率が向上していることがわかった。その量子収率は5.9%であり、RuLB膜の場合の2.7%に比べ約2倍効率が増加することが明らかとなった。
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