Project/Area Number |
09237219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
露本 伊佐男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60282571)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光熱変換 / 超高速 / フェムト秒 / ピコ秒 / 光電極反応 / エネルギー移動 / 固液界面 / 酸化チタン |
Research Abstract |
表面プラズモン共鳴過渡反射格子法、及びフェムト秒過渡反射法をそれぞれ開発し、固液界面のエネルギー移動の高速時間分解計測に応用した。 表面プラズモン共鳴過渡反射格子法により、金/電解液界面に干渉縞状に励起パルスを入射し、その後のプローブ光の回折光強度をモニターした。従来の過渡反射格子法に表面プラズモン共鳴を適用したことにより、信号強度が約100倍に増感された。その結果、金側の励起電子による信号成分と液体側へのエネルギー移動によって発生した弾性波を同時にその場計測することに成功した。電解液側の過塩素酸イオンの濃度を変化させたところ、濃度上昇に伴って界面を通過するエネルギー量が上昇することが分かった。これは過塩素酸イオンの吸着量が増えたことにより、固体側から液体側へのエネルギーが伝わりやすくなることを示しており、エネルギー移動の素過程に吸着種の電子的な相互作用が影響を及ぼしていると考察した。 過渡反射法により、200フェムト秒のパルスを白金/電解液界面に入射し、その後の反射率の過渡的な変化を追跡した。反射率変化を解析したところ、従来報告されている電子・フォノン相互作用による成分(数100フェムト秒)と熱拡散成分(数10ピコ秒)に加えて、白金に強く吸着する陰イオンを含む電解液界面の場合にのみ20フェムト秒という非常に速い緩和時間をもつ成分が観察された。この成分は、励起直後の非熱化電子(ボルツマン分布に従わない電子)が吸着種と相互作用することにより現れた成分であると解析した。これは固液界面における非熱化電子の挙動の初めての観測である。
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