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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
リチウム二次電池の電極と有機排水電解質の界面の化学と構造を精密に設計することにより,高性能かつ安全な電池の実現を目指すことを目的として,以下の2課題について研究した。 1.炭素質負極のリチウムインターカレーションに及ぼす界面過程の影響 電池反応における電極/電解質界面の構造が果たす役割を明らかにするために,エチレンカーボネート(EC)を主溶媒とする有機電解液中で,黒鉛および関連炭素質材料の電気化学的リチウムインターカレーション過程を電気化学水晶振動子マイクロバランス(EQCM)を用いて研究した。電池主反応であるリチウムインターカレーション反応には電解液の分解とそれに続く炭素表面での被膜形成が並行して起こり,その割合は炭素材料の種類と電極電位に大きく依存した。また,それらの反応は電解液組成によっても異なり,結晶性の高い材料ほど電解液依存性は顕著であり,溶媒の共挿入過程も起こり得ることを明らかにした。 2.リチウム負極の表面構造制御による充放電特性の改善 有機電解液中への微量の金属塩の添加が金属リチウム負極の充放電特性改善に効果があることを見出した。その効果はベース電解液の組成と添加塩の組合せにより異なるが,リチウム表面に形成する薄膜の組成と構造に依存することがわかった。また,含フッ素陰イオンからなる塩を溶解した電解液系では,低温下でリチウムの析出/溶解サイクルを繰り返すと常温でも高いクーロン効率が得られる現象を見出した。電極/電解液界面のインピーダンス変化を解析することにより,これら充放電特性の改善効果のメカニズムを明らかにするとともに,実用電池の環境下でも上記手法が有効であることを実証した。
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