Project/Area Number |
09237265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
平田 文男 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (90218785)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 電極-溶液界面 / 水の構造 / RISM理論 / 表面赤外分光実験 / 密度汎関数理論 / 電極反応 / 電子移動速度 / マ-カスの曲面 |
Research Abstract |
電極-溶液界面近傍での溶液構造を調べる事を目的として、RISM理論に基づく計算を開始した。この理論計算では表面構造、溶液分子の双方において、原子レベルでの形状を考慮する事が可能である。また、最近は電解質溶液の計算も可能になった。 まず、これまでも計算可能であったflatな形状を模した表面とAu(111)を模した表面について、それぞれの界面近傍での水の構造を求めて比較した。その結果、界面近傍での水の配向の議論には表面の原子レベルでの構造が重要である事がわかった。特に表面電荷が負に片寄っている場合にはその違いは顕著である。すなわち、Au(111)面を模した場合には水の配向は安宅、四ッ柳、大澤による表面赤外分光実験により知られているものと一致し、flat類似な場合は、実験と全く異なる配向となる事がわかった。この事を論文にまとめ学術雑誌に発表した。(J.Chem.Phys.誌で印刷中) また、表面へのイオンの吸着の問題においても表面構造及びイオンの溶液層での水和状態が重要なことがわかってきた。すなわち、Pt(111)構造を模した場合、イオン半径の大きなヨウ化物イオン等は表面に強く吸着し、フッ化物イオンやカチオンは吸着しない。この傾向はpzcにおけるイオンの吸着傾向と一致する。一方、flat類似な表面の場合、イオンによる吸着の違いは極めて小さくなる。現在、その論文をまとめている。 さらに、密度汎関数理論とRISM理論を結合して、より金属表面の性質を取り込んだ計算に取り組んでいる。また、電極反応を想定した電子移動速度の議論を行うために、非平衡自由エネルギー曲面、いわゆるマ-カスの曲面を求める計算を開始した。
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