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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
基板電極としてグラファイトフェルトヘポリアクリル酸(PAA)膜を被覆し、その層中にメディエーター(Med)としてl-aza-4-amino-2,2,7-trimethyl-10-isopropylspiro[5.5]undecane-N-oxylを化学的に固定した修飾電極を作製した。この修飾電極は、分子内にキラル残基を有するため、絶対配置の相違によりアルコール類等の酸化反応に対して立体選択的な差異が見られた。即ち、二級ラセミアルコールであるl-フェニルエチルアルコールの酸化反応において1c:(6S,7R,10R)はS-体のみを選択的にアセトフェノンへ酸化し、R-体は未反応物として回収された。一方、1a:(6R,7R,10R)は電気化学的に不活性化するが過酸処理により再活性化し、R-体のみを選択的にアセトフェノンへ酸化し、S-体は未反応物として回収された。 一方、再活性化1aはラセミアミンである1-フェニルエチルアミンの酸化反応において、R-体のみ選択的にイミンへ酸化し、加水分解によりアセトフェノンへ変換するのに対して、S-体は未反応物として回収された。 ジオールである3-メチル-1,5-ペンタンジオールの酸化反応においては、1cは対応するS-体の光学活性なラクトン、再活性化1aは対応するR-体の光学活性なラクトンへ高電流効率、高収率、高選択性で変換した。 Medとしてフェロセン(Fc)誘導体をPAA被覆GF電極上にNADHの補酵素、酸化還元系酵素としてジアフォラーゼ(Dp)およびアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH、E.C.l.l.l.l)を固定した修飾電極を作製した。この修飾電極は3-メチル-1,5-ペンタンジオールの基質存在下で、触媒電流を与えた。これはFc、NADH、DpおよびADHの複合系メディエーター系が、基質との電子移動を触媒していることを示している。実際にこの系でマクロ電解を試みたところ、対応するクラントンへの立体選択的酸化を実現した。またシス-1,2-シクロヘキサンジメタノールにおいても同様に、対応するラクトンへの立体選択的酸化が可能であった。
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