Project/Area Number |
09238226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 紘一 京都大学, 化学研究所, 教授 (70026243)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | フラーレン / 固体反応 / 二量化 / X線結晶構造解析 / 環化付加反応 / シクロデキストリン / 位置選択的付加反応 / 錯体形成 |
Research Abstract |
1.最も高濃度の反応場である固相において、化学反応の駆動力として従来用いられてきたエネルギーに代わって、反応系全体の高速振動粉砕に基づくメカノケミカルなエネルギーを利用し、フラーレンC_<60>を対象とする構造変換反応を試みた。特にC_<60>とKCNとの固体反応によって、極めて選択的に二量体C_<120>が合成できることを見いだした。さらにX線結晶解析により、C_<120>の精密な分子構造を決定することに成功した。その結果、2個のC_<60>ケージ間の結合は理論的な予想よりも長く、電気化学的あるいは化学的な還元によって容易に切断されることがわかった。この他に二量化に有効な反応試薬について検討した結果、この固体二量化反応に電子移動過程が重要な役割を果たしていることを明らかにした。二量体C_<120>は、塩基存在下diethylbromomalonateとの反応によって、片側または両側のC_<60>ケージがシクロプロパン化されることを見いだした。 2.上記の高速振動粉砕法を用いてC_<60>と一連の多環式縮合芳香族との環化付加反応を行ない、特にペンタセンとの反応で溶液反応では得られないC_<60>ダブル付加物を単離し、その構造を確認した。さらにこの手法は、C_<60>とγ-シクロデキストリンとの錯体形成についても極めて有効であり、この錯体が10^<-3>から10^<-4>Mという高濃度の水溶液となることを見いだした。 3.C_<60>と過剰のフルオレニドイオンとの反応によって位置選択的な多付加体の合成に成功した。特に四分子付加体は、曲面化したC_<60>分子の表面に交叉共役系であるフルベンのπ電子構造をもつ最初の例であり、さらに炭素求核種との反応によって安定なシクロペンタジエニルアニオンを与えた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)