自己組織化された銅一パラジウム複核錯体の創製と酸化反応触媒としての機能調整
Project/Area Number |
09238229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
細川 隆弘 高知工科大学, 工学部, 教授 (90029520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 克宏 高知工科大学, 工学部, 助教授 (40206579)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 酸化触媒 / 塩化パラジウム / Pd-Cu複核錯体 / 分子状酸素 / redox型機構 |
Research Abstract |
有機基質を金属錯体の介在により自己組織化させる研究が、近年注目を浴びている。これに比べて、2元系金属錯体それ自身を自己組織化させ、その実体と機能を究明しようとする研究例は乏しい。我々は、有機合成化学の分野で汎用されている酸化触媒PdCl2-CuClを分子状酸素存在下でヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)と反応させ、銅とパラジウムに架橋した酸素原子を持つ複核錯体[(PdCl_2)_2CuCl_2(HMPA)_2]n及びポリマー状錯体(PdCl_2)_6(CuO)_4(HMPA)_4の単離に初めて成功した。PdCl_2-CuCl触媒によるオレフィンのケトン化反応は、有機合成化学の分野で重要な官能基変換法の一であることは良く知られている。この反応で溶媒として用いられるジメチルホルムアミド(DMF)は、触媒活性種となるPd-Cu複核錯体の配位子として作用するとの視点から、PdCl_2、CuCl及びDMFとの反応を分子状酸素存在下で検討した。その結果、配位子としてDMFを持つ二種のPd-Cu二核錯体、[(PdCl_2)_2CuCl_2(DMF)_2]n及び(PdCl_2)x(CuO)y(DMF)zの単離に成功した。PdCl_2触媒によるこの型の化反応では、触媒として用いたPdCl_2がPd(O)に還元された後、第二銅塩によりPd(II)に再酸化されるredox型触媒機作が広く信じられている。上述の複核錯体の単離は、この古典的なredox型機構ではなく、触媒機作はPd-Cu二核錯体上で演じられることを示す。今後はこれらの知見を基として、アミド系あるいは尿素系化合物を配位子として持つPd-Cu二核錯体の一般的合成法と、その酸化反応触媒としての機能を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)