面不斉をもつフェロセン配位子の開発と不斉炭素-炭素結合形成反応への応用
Project/Area Number |
09238231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 功 大阪大学, 工学部, 教授 (70029049)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | フェロセン配位子 / 面不斉 / 不斉アリル置換反応 |
Research Abstract |
面不斉をもつフェロセン配位子はいくつかの不斉触媒反応において優れた不斉触媒活性が認められており、また工業的に利用されているという報告もある。しかしながら、C_2対称の不斉フェロセン配位子や面不斉のみをもつフェロセン配位子に関する研究はほとんど行われていない。これらの新しい形の配位子の特性を解明すべく、本研究は、キラルなアミノアルコールとフェロセンジカルボン酸から1,1'-ビス(オキサゾリニル)フェロセン1を合成し、その高選択的なジリチオ化を経る面不斉をもつC_2対称1,1'ビス(ジフェニルホスフィノ)-2,2'-ビス(オキサゾリニル)フェロセン2の合成を行った。しかし2とPdとの錯形成について検討したところ、期待されるP,P-キレートは生成せずに二核のP,N-キレート錯体を与えることが明らかになった。面不斉のみを持つC_2対称のP,P-配位子1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-2,2'-ビス(メトキシカルボニール)フェロセン3は、2のオキサゾリン基を誘導することによって合成することができた。 Pdを用いる不斉アリル置換反応、特に1,3-ジフェニル-2-プロペニルアセテートの炭素求核置換反応は重要な不斉触媒反応として近年着目されている。この反応に対してN,N-配位子とP,N-配位子が高い光学収率を与えたという報告はこれまでにいくつかあったが、P,P-配位子、特にC_2対称のP,P-配位子を用いて良い結果を得たという報告例はすくない。そこで今回合成したC_2対称のP,P-配位子3を用いて、この反応を検討したところ、92%という高い光学収率で目的物が得られた。この結果から面不斉のみをもつフェロセン配位子は優れた不斉環境を与えることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)