ほぼ無限種のステロイド包接結晶を反応メディアとする組合わせの化学
Project/Area Number |
09238233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 工学部, 教授 (90029322)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 反応メディア / 包接結晶 / 組合せの化学 / ステロイド / エピマ-誘導体 / 単結晶X線解析 / 包接空間 / カルボン酸アミン塩 |
Research Abstract |
理論的にはタンパク質のアミド結合を除いた置換メチレンの炭素鎖でもモノマーの配列順序(定序性)が維持されるはずである。二十以上の構成要素があるステロイドの場合、文学の短歌や生物の抗体のように、ほぼ無限種の異性体を生じる。今まで調べた限りでは、胆汁酸ステロイど誘導体の8割以上が包接化合物を形成する潜在能力をもち、その包接現象による分子認識は、各ホスト固有でどれ-つとして同じではなかった。これらの研究を基礎に、ステロイド包接結晶がほぼ無限種の反応メディアとなる可能性を実証することを目指して本研究を行い、以下のような研究成果が得られた。 1.情報表現力に富む定序性炭素鎖分子として、数多くの不斉炭素と水素結合基がある胆汁酸ステロイドを用い、骨格につく水素結合基の絶対配置を変えてエピマ-誘導体を合成した。これら誘導体の包接化合物系成能を再結晶法にて調べた。 2.各エピマ-ホストは、分子構造のごくわずかな違いに基づいて、非常に異なる包接能力をもつことが明らかになった。この違いが生じる原因を明らかにするため、得られた包接化合物の立体構造を、赤外分光法、NMR分光法、熱重量分析、X線構造解析などにより決定した。分子グラフィックスにより、立体構造と分子認識との構造相関を検討した。 3.胆汁酸ステロイドと脂肪族アミンとの塩を作り、その包接形成能を調べた。その結果,この塩でも多数の包接化合物の得られることが初めて明らかになった。これらの包接化合物はX線構造解析に適した結晶を作るため、多数の結晶構造を解析することができた。そのため、アミンの構造変化による包接空間の微細な変化を実証することが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)