金属-硫黄シグマ結合の開裂と形成を含む配位チオラト基の遷移金属錯体間移動反応
Project/Area Number |
09239212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (00152455)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | チオラト錯体 / 配位子移動 / シリル錯体 / ロジウム / 白金 / チタン |
Research Abstract |
本研究では含硫黄遷移金属錯体分子間におけるチオラト(SR)基等の新規のトランスメタル化反応をみいだすとともに、熱力学、動力学の正確な評価とこれに基づくを反応機構の解明を目的とした。同様に金属-ケイ素結合の開裂と形成をともなう、錯体分子間シリル配位子移動反応についてもあわせて検討した。 ビスチオラトチタノセン錯体とジクロロ白金(シクロオクタジエン)錯体との反応においてチオラトおよびクロロ配位子が錯体分子間で選択的に移動し、チタノセンジクロリドとビス(チオラト)白金錯体とが生成した。アリールチオラト錯体の反応ではシクロオクタジエン配位子を有するチオラト白金錯体が生成したのに対し、アルキルチオラト錯体からは架橋チオラト配位子を有する高分子白金錯体が生成した。これら反応の速度論の結果より、アルキルチオラトチタノセン錯体、アリールチオラトチタノセン錯体の反応いずれにおいても段階的に配位子移動が進行し、2段階めの反応がより遅いことが明らかになった。2段階めの配位子移動はチタン錯体、白金錯体それぞれに1次反応であり、会合的な反応機構で進行することがわかった。ビス(チオラト)チタノセンとメチル(クロロ)白金(シクロオクタジエン)錯体との反応でも円滑なチオラト配位子移動を観測することができた。 有機遷移金属錯体のシリル配位子移動反応についても検討を行なった。下に示すシリルロジウム二核錯体の熱反応により第三シリル基が橋架け配位した錯体を得た。本反応では1方のシリル配位子のケイ素-炭素結合の開裂を伴って、他方のシリル配位子が非架橋から架橋配位へ変化している。したがって、シリル配位子の金属間移動反応の原系から遷移状態までの反応経路を再現できたことになる一方、ケイ素-水素結合の配位により安定化されていない場合でもシリル基の橋架け配位が安定であることを示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)