Project/Area Number |
09239229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大塚 雅巳 熊本大学, 薬学部, 教授 (40126008)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 亜鉛フィンガー蛋白質 / HIV-EP1 / DNA結合阻害 / メルカプト化合物 |
Research Abstract |
がんやエイズにかかわる生体反応においてはCRE-BP1、E1A、HIV-EP1、Sp1、TRAF5などの亜鉛含有蛋白質が随所で重要な役割を果たす。これらの蛋白質の亜鉛部位に結合したり亜鉛を引き抜いたりする化合物を設計することができれば、がんやエイズにかかわる亜鉛蛋白質の機能を阻害あるいは制御するという新しい作用機序にもとづく抗がん、抗エイズ医薬開発の基礎となることが期待される。 研究代表者らはジメチルアミノピリジンの両側にヒスチジン側鎖を導入した人工化合物を各種合成した。これらの化合物は強い亜鉛結合性を示し、1mM程度の濃度で亜鉛フィンガー蛋白質HIV-EP1のDNA結合機能を阻害した。この実験を亜鉛の存在下で行なうと、化合物によるHIV-EP1のDNA結合阻害はみられなくなった。また化合物で阻害した後に過剰量の亜鉛を加えると、一旦活性を失ったHIV-EP1はDNAと結合する性質を回復した。これらの結果は化合物がHIV-EP1から亜鉛を引き抜いていることを示唆する。 さらに、亜鉛フィンガー蛋白質はシステイン残基で亜鉛と結合していることを考え合わせ、これまでの化合物のイミダゾール部分をメルカプト基でおきかえた化合物を合成した。メルカプト化合物は30μMでHIV-EP1を阻害し、上記のイミダゾールをもつ化合物とは異なり亜鉛を添加してもHIV-EP1のDNA結合力は回復しなかった。これらのことはメルカプト化合物はHIV-EP1から亜鉛を引き抜くのではなく、2つのメルカプト基がHIV-EP1中の亜鉛とインターエレメント結合を形成し阻害していることを示唆する。
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