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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
主鎖がケイ素-ケイ素結合とπ電子系の繰り返しで構築されるポリマーは,新しい共役系ポリマーとして注目されている.本研究では高分子主鎖中のケイ素-ケイ素σ結合とπ電子系との軸道間相互作用(σ-π共役)が,ポリマー電子状態に与える影響を明らかにする目的で,π電子系としてフェニレン,チエニレン,アントラセン環を有するσ-π共役ポリマーを合成し,それらの電気化学的性質,導電性,耐熱性,ホール輸送性などを検討した. その結果,ケイ素-π電子系交互ポリマーの機能性はケイ素およびπ電子系ユニットの広がりによって大きく影響を受けることが明らかになった.例えば,π電子系が広がるにつれてポリマーの酸化電位は低電位側に移動し,酸化ドープした際の伝導度も向上した.同じような傾向はπ電子系を固定してケイ素ユニットをモノシラン,ジシラン,トリシランと長くしていくことによっても見られたが,その変化の度合いはπ電子系が広がるに従って小さくなった.ポリマーのホール輸送性もやはりπ電子系が広がるにつれて向上し,アントラセン環を有するものは良好なホール輸送材料として利用できることを見出した.このポリマー層を含むELデバイスの作成にも成功している.また,主鎖がケイ素-フェニレンの繰り返しで構造されるポリマーは高い耐熱性を示すことがわかった. その他,ビチオフェンのβ-位をシリレン架橋したジチエノシロールを合成した.さらに,このものをπ電子系として組み込んだσ-π共役ポリマーも合成した.これらのポリマーはジチエノシロールに由来した低いLUMOを有し,新しい電子材料として期待できる.
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