Project/Area Number |
09239246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
杉森 彰 上智大学, 理工学部, 教授 (40053590)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | コバルタジチオレン / ジアゾ化合物 / アジド / 架橋反応 / 環開裂 / ナイトレン |
Research Abstract |
メタラジオチオレン環の持つインタエレメント結合、金属-Sの示す特異的な反応性をコバルタジチオレンのCo-Sについて解明した。 コバルタジチオレンにジアゾ化合物あるいはテトラシアノエチレンオキシドを作用させると、Co-Sがアルキリデン基によって架橋されCo-S-C三員環が生成する。架橋反応自身も興味ある反応であるが、さらに特異的なことは、Co-S-C環が様々な形式で、開裂、脱離をすることである。ハロゲン化水素との反応では、Co-C結合が切れ、Hが架橋部位に、ハロゲンがCoに結合する。Coに配位したハロゲンはさらに様々な変換し得る。特に、アジドがCoに配位した錯体は、光照射や加熱によって、形式的にはHN_3が脱離してできるアルキリデン架橋の三員環が生成する。 さらに興味深いことは、単体ハロゲンによっても開裂が起こることで、ハロゲンが金属とアルキリデン部位に結合する。この化合物を1電子還元すると、2原子のハロゲンが脱離して、三員環が再生する。 スルファニルアジドあるいはPhI-NSO_2Rとの反応にでは、スルフォニルイミド基による架橋が起こり、Co-S-N三員環が生成する。この三員環はPPh_3の作用によって、Co-Nが開裂して、イリドが生成、さらに加熱によってイミド基が転位する。ここでは、ナイトレン種の生成が推定される。一連の反応は、金属錯体による活性種の捕捉(安定化)と再生という観点からも興味あるものである。容易な脱離反応の原因は、コバルタジチオレン環の芳香族性に帰せられる。
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