新規な活性リガンドを含む複合糖質誘導体による細胞接着の制御
Project/Area Number |
09240106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
柏村 直樹 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20026412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 京子 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (20085278)
東 順一 京都大学, 農学部, 教授 (80115782)
西川 司郎 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50024592)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 糖化タンパク質 / ベンジル化ペントサン / トリチルシクロデキストリン / アルキニルプリン / 細胞接着 / 内皮細胞 / 血管新生 / がん細胞 |
Research Abstract |
これまでの研究で細胞接着に阻害・促進活性をもつ新規なリガンドの中から今年度はハインズ転位化合物(促進活性)、ベンジル基(阻害)、およびアルキニルプリン基(接着分子発現阻害)の3つを選び、これらのリガンドを高分子複合糖質に組み込んでその生理活性がどう変化するかを調べることにした。 (1)ハインズ転位物含有糖化蛋白質の調製とその血管内皮細胞接着分子発現への影響 フルクトースおよびリボースとHSAから糖化タンパク質を調製し、100μg/ml以下の濃度でELAM-1の発現促進作用を調べた結果、TNF-α非存在下、反応時間120時間のハインズ転位物にコントールに対して1.4倍の発現促進作用が認められた。この作用は、ICAM-1では認めたれなかった。構造類似の似グルコサミンのアマイド結含有糖化タンパク質も同様な作用を有することがわかっているので今後作用機構や構造活性相関および低分子アンタゴニストの探索の研究を行いたい(柏村分担課題)。 (2)ベンジル基およびトリチリ基含有糖鎖のがん細胞接着・浸潤への特異的な影響と作用機構(小泉、谷本、東分担課題) トリチルシクロデキストリンががん転位阻害活性を示すかどうか調べるために、in vivoのがん転移自然モデル(マウス)およびin vitro血管新生阻害作用を測定した。前者では、がん移植時に薬剤を投与する場合、転移阻害効果が若干であるが認められたので現在血行転位モデル実験を行っている。後者の作用は、ウシ内皮細胞遊走試験では認められなかった。一方、ベンジル基を有するキシラン、フコイダンを調製し、その限定アセトリシスでトリベンジルキシロースの大量調整とオリゴベンジルキシランの分離精製を試みている。 (3)アルキニルプリンリボサイド含有複合糖質の構築と血管新生阻害活性(柏村、西川分担課題)フェニルアルキニルプリンリボサイドが血管新生阻害作用を有することがわかったのでこのヌクレオシド5'位にビニル基を酵素法で導入し、そのラジカル重合で高分子合成を試みた。エステル化は予想に反して3'に起こり、また、重合は、アデノシンで起こったが、アルキニルプリンでは成功していない。生成物は血管内皮細胞接着分子促進作用とウシ動脈内皮細胞の遊走阻害作用を測定する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)